新燃岳噴火2カ月 終息の兆し見えず…長期化懸念、農業や観光業に影響 - 産経ニュース

新燃岳噴火2カ月 終息の兆し見えず…長期化懸念、農業や観光業に影響

爆発的噴火を起こした3月6日に、霧島連山・新燃岳の火口から上がる噴煙
風評被害に悩む温泉地では、通常営業を伝える看板が立つ=宮崎県えびの市
 宮崎と鹿児島県境にまたがる霧島連山・新燃岳の噴火が始まって5月1日で2カ月。断続的に爆発的噴火を繰り返し、終息の兆しは見えない。麓(ふもと)の自治体では住民が大量の火山灰に悩まされ、農業や観光業にも悪影響が出ている。活動が7カ月以上続いた7年前の噴火を思い起こし、長期化への懸念が広がる。
 気象庁によると、3月1日の噴火以降、これまでに約50回の爆発的噴火が起きた。4月5日には火口から高さ約5千メートルまで噴煙が上がった。同じ霧島連山の硫黄山も4月19日、250年ぶりに噴火した。
 新燃岳の東側にある宮崎県高原町では、風向きによって道路のセンターラインが見えなくなるほど降灰がある。住民はそのたびに、積もった灰を洗い流す作業に追われる。
 平成23年に起きた噴火の際は、町中心部まで噴石が飛び、車のガラスが割れるなどの被害があった。
 町立中2年の女子生徒(13)は今年3月の爆発的噴火で、空振で自宅が揺れるのを感じた。避難生活を送った7年前の記憶がよみがえる。「1人でいるときに大きな噴火が起きたら、どうすればいいか分からず怖い」。町の小・中学生は、ヘルメットとマスクを着けて通学する。
 火口から東約6キロにあり、年間約1万4千人が訪れる同県小林市の「ひなもりオートキャンプ場」は7年前、2カ月半の休業を余儀なくされた。現在は通常営業し大型連休の予約は埋まるが、巣山正明支所長(44)は「いつキャンセルの電話が来るか不安。噴火のたびにうんざりだ」とこぼした。
 同県えびの市の京町温泉街は、風評被害に気をもむ。火口から約20キロ離れているにもかかわらず、宿泊キャンセルが増えている。
 農作物への被害も広がる。宮崎県などによると、灰でシイタケが一部出荷できず、被害額は1500万円以上に達した。降灰でビニールハウスの日照が遮られ、これから旬を迎えるピーマンやキュウリの生育に影響する恐れもある。
 専門家は、火山活動が長期化するとの見方だ。京都大防災研究所宮崎観測所の山下裕亮助教(観測地震学)は「新燃岳の地下では、マグマの供給が続いている。現状より大規模な噴火が起きる危険性が十分ある」とし、今後も警戒を続けるよう呼び掛けた。