わずか7部屋、由布「旅館 山城屋」 世界に広がる口コミ、訪日客目線で情報発信

 
「旅館山城屋」代表の二宮謙児さん(左)と妻の博美さん

 旅行に関する世界的な口コミサイト、トリップアドバイザーの「トラベラーズチョイス」日本旅館部門で毎年、上位入賞する小さな温泉旅館が大分県由布市にある。わずか7部屋だが、インターネットを駆使して日本の伝統的な風景を発信する。「居心地が良く魅力的」と好評で、ここ3年間の稼働率は、ほぼ100%を維持しているという。

 「旅館山城屋」は、JR湯平駅から西に約4キロ離れた山あいの「湯平温泉」にある。韓国からの観光客が旅館に到着すると、代表の妻、二宮博美さん(50)が「ディナーはイルゴプシ(7時)」などと英語や韓国語の単語を織り交ぜて説明した。

 飲食店や温泉が軒を連ねる通りに面し、昔ながらの雰囲気を醸し出す。築約50年の木造で、博美さんと代表で夫の謙児さん(56)、義母の3人を中心に計7人で切り盛りする。入ってすぐ見える台所で食事を作る様子が、日本の家庭の風景として人気という。

 上位に京都などの旅館が並ぶトリップアドバイザーのランキングで、世界中の旅行者の口コミなどを基に、2016年は4位、17年が3位、今年は6位に選ばれた。

 「おかみの伝統的な家庭料理はおいしくて、愛を感じた」(シンガポール)、「行き届いたもてなしに心地の良い部屋と温泉」(英国)、「静かな地域で、日本の自然環境を存分に楽しめる」(中国)といった感想がコメント欄に並ぶ。

 山城屋は、川のせせらぎが聞こえる8~12畳ほどの和室から四季折々の山の風景が一望できる。温泉は内風呂と露天風呂が2つずつで、いずれも貸し切り。さらに動画投稿サイト「ユーチューブ」を使い、電車の乗り方や浴衣の着方、温泉の入浴方法などを英語や中国語などで解説する。

 謙児さんは「海外の観光客目線で、日本を旅行する不便さや不安を解消する情報を発信している。ちょっとした工夫で満足度を高めることができる」と話した。