リンゴ箱を味わいある家具に 青森・板柳の企業、風合い生かし

 

 リンゴ箱を世界へ発信-。木箱やインテリア商品の販売などを手掛ける「キープレイス」(本社・板柳町)が、廃棄されるリンゴ箱をテーブルやスツールに再利用する取り組みを進めている。リンゴ箱が醸し出す独特の風合いを生かしているのが特徴。リンゴ箱を家具という視点でのリデザインは珍しく、姥沢大(まさる)社長(47)は「青森からブランドを作っていきたい」と意気込む。(福田徳行)

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木箱に入れたリンゴは保存性が良く、色付きも良いとされ、出荷や販売で使われている。丈夫で1農家当たり20~30年間、繰り返し使われるが、輸送コストの関係で県外では廃棄されるケースもあるという。「リンゴ箱の持つ魅力や価値を引き出し、家具にできないか」(姥沢社長)との思いから、約2年前から知り合いの建築家と家具職人とともに試みが始まった。

 津軽のリンゴ農家では箱に屋号を記すこともあり、姥沢社長が弘前市内の工房でたまたま見つけた箱に「又幸」という字が入っていたことから、リンゴ箱を家具に生まれ変わらせる取り組みを「又幸-Matasachi-」プロジェクトと名付けた。

 テーブルは幅1・7メートル、高さ70センチ、奥行き80センチで、天板部分にリンゴ箱を使用。素材の持つぬくもりを生かすため、接着剤で丁寧に貼り付けるなど風合いを損わないように工夫している。接着部にできる段差もあえてそのまま残すなど、手作り感満載だ。

 姥沢社長は「長年、リンゴ農家や市場、流通で使われてきた箱だけに、関わってきた人たちの思い、ストーリーがあるので、そこに価値観を見いだしてほしい。市販の家具とは趣が違うオンリーワンの家具」とアピールする。

 木材の再利用の観点からリンゴ箱に新しい命と価値を吹き込んだことが評価され、昨年のウッドデザイン賞を受賞したほか、弘前アップルデザインアワードに入賞、国際家具見本市「ミラノサローネ2018」(17~22日)に出展する予定。

 姥沢社長は「今後は照明やテレビボードなども作ってみたい。又幸を一つのブランドととらえ、クリエイティブに製作、販売し、青森から世界に又幸ブランドを発信したい」と夢を描く。問い合わせは(電)0172・72・1321。