【ろっけんグルメ】大十食堂(青森県平川市) 最強の炭水化物セット - 産経ニュース

【ろっけんグルメ】大十食堂(青森県平川市) 最強の炭水化物セット

大十食堂の「Aセット」
 店の前は、かつて人を運ぶ馬車の停車場だった。そこの待合室に明治33(1900)年、初代の西谷重助さんがそばとうどんの店を始めた。西谷家の屋号「大」を入れ、地元に愛されながら歴史を刻み続けて約120年の名店だ。
 25歳のとき、4代目として店を継いだ西谷豊さん(59)のこだわりは、ラーメンのだし。以前は焼き干しと煮干しを半々で使っていたが、価格が高い焼き干しの代わりに煮干しを焼くことを思い付いた。1日10キロの煮干しを3回に分けて約6時間かけて焼く。「焼くことによって香りが良く、臭みも取れ、スープも濁りがなくまろやかになります」。自家製麺で、スープが絡みやすいように手もみし、一晩寝かせてこしを出す。父の背中を見てラーメン作りを覚え、ひと手間加えることを大事にしている。
 人気メニューはミニラーメン、ミニ焼きそば、ミニおにぎり、おしんこの「Aセット」(780円)。15年ほど前、常連客のラーメン、焼きそばを半分ずつ食べたいというリクエストに応え、提供したのが他の客にも広まった。今では店を代表する最強の“炭水化物セット”だ。琥珀(こはく)色のラーメンスープは口当たりが滑らかで、麺と良く絡む。焼きそばはフライパンにソースがほぼなくなるまで炒める。ラーメンをすすった後、スープを飲み、さらにモチモチ食感の焼きそばをスープで流す。麺好きにはたまらない逸品だ。
 「お客さまの笑顔が何よりうれしい」と語る西谷さん。決しておごることのない実直な人柄が味に凝縮されている気がした。(福田徳行)
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 ▽アクセス 青森県平川市尾上栄松19の1。弘南鉄道津軽尾上駅から徒歩8分。(電)0172・57・2022
 ▽営業時間 午前11時~午後4時(土、日曜日は麺、だしがなくなり次第終了)
 ▽定休日 毎週月曜日(月曜日が祭日の場合は火曜日)
 ▽その他のメニュー ラーメン類、そば類、焼きそばそれぞれにミニカレー、ミニチャーハンなどが付いたBセットも人気
 ▽店主お薦めの他店 青森県弘前市の「三忠食堂」