ユズ種子油で健康維持 高知大など研究、地元農協が商品化

 

 ユズの生産量日本一の高知県で、種子から抽出した油を健康維持に役立てる取り組みが進む。高知大などの研究では皮膚炎の症状緩和や抗酸化作用があることが分かり、地元農協はサプリメントなどに商品化。料理に爽やかな酸味を加える果汁や皮と違い、硬くて苦い「邪魔者」扱いだった種子が脚光を浴びている。

 ユズの果実1個に含まれる種子は約30個。加工品販売で村おこしを進める馬路村農業協同組合の東谷望史組合長は「食用に向かないので困っていた」と話す。平成21年から高知大医学部の溝渕俊二教授(臨床看護学)らと共に、種子から抽出される油の機能を調べてきた。

 溝渕教授によると、油の経口摂取では、がんや生活習慣病との関わりが指摘される活性酸素の減少を確認。塗布ではアトピー性皮膚炎の症状が緩和した患者も。かゆみを誘発する物質「ヒスタミン」を油の成分が抑えたと考えられるという。

 馬路村農協は29年8月、油をカプセル状にしたサプリメントを発売。美容液などのスキンケア商品にも活用し、従来は捨てられていた種子が商機を生んだ。東谷組合長は「農産物がもともとの素材なので、安全性は高く反響も大きい」と手応えを口にする。

 30年から新たに調査を始めるのはメタボリック症候群の予防効果だ。マウスに微量の油を毎日口から投与した実験では、脂肪燃焼や糖尿病予防の効果から「長寿ホルモン」とも言われる血液中の善玉ホルモン「アディポネクチン」の数値の上昇が確認されており、約100人を対象に人での効果を分析する。溝渕教授は「効能をもたらす仕組みを詳しく解明し、機能性表示食品の認可も目指したい」と話している。