イージス・アショア候補地閣議決定 「安心」「標的」…秋田で賛否

 
イージス・アショア配備の閣議決定を受け、記者団の質問に答える秋田県の佐竹敬久知事=19日午前11時、県庁(藤沢志穂子撮影)

 19日の閣議決定で、地上配備型の弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」が2基が導入されることになり、秋田県と山口県の陸上自衛隊演習場が候補地に挙がった。陸自の新屋演習場(秋田市新屋町)の地元では、その賛否について、さまざまな声が上がっている。(藤沢志穂子)

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 閣議決定を受けて、佐竹敬久知事は「情報がない中、県としては賛成とも反対とも言えない」と慎重な姿勢を崩さない。イージス・アショアの意義については「専守防衛であって攻撃ではない」との認識を示し、配備には「不安に思う県民もいる。国には出せる範囲で情報を出していただくよう、働きかけていきたい」と語った。

 県議会防衛議員連盟と、県自衛隊家族会の会長を務める北林康司県議は「秋田が地政学的に選ばれたとすれば理解できる。イージス・アショアが配備されれば、かえって安心安全という考え方もある」とみる。

 平成35年度以降の運用開始が目指されるが、これまでに新屋周辺には自衛隊関係者がかなり移って来るとみられている。地域の人口増と経済効果に加え、今後想定される政府の支援を期待する向きもある。

 一方で反対意見もある。

 「配備によりミサイルの標的にされかねない」との懸念で、例に挙げられるのは先の大戦の終戦間際に秋田市であった土崎空襲だ。

 昭和20年8月14日夜から15日にかけ、土崎港の周辺で米軍のB29爆撃機による大規模な空襲があった。現在でも採掘可能な油田がある秋田市では当時、付近に大規模な製油所があり、それを狙ったとされる。

 土崎港被爆市民会議の伊藤紀久夫事務局長(77)は「いつの間にか(配備に)巻き込まれてしまった印象。戦争にならない平和の道を考えたい」と話した。