登録見送りの杉原リスト、「ユネスコから理由説明ない。なぜ…」関係者困惑

世界の記憶
「世界の記憶」への登録が見送られ、撤去される「杉原リスト」の垂れ幕=31日午前、岐阜県庁

 第2次世界大戦中に多数のユダヤ人の命を救った外交官の杉原千畝(ちうね)の資料「杉原リスト」が「世界の記憶」(世界記憶遺産)への登録を見送られた。国連教育科学文化機関(ユネスコ)から不登録とした理由の説明はなく、関係者から戸惑いの声も上がる。

 有識者でつくる日本ユネスコ国内委員会は2015年に杉原リストを国内候補に選定した際「杉原の人道的業績について世界的な重要性を説明する」と評価していた。国内委の担当者は「理由開示がなく、なぜ不登録となったか全く分からない」と話した。

 杉原リストを申請した岐阜県八百津町によると、ユネスコ側から審査過程で資料への問い合わせはあったが、登録の可否に影響するような不備の指摘はなかったという。

 世界の記憶を巡っては、ユネスコ執行委員会が18日「加盟国の相互理解の原則に従い、さらなる政治的緊張を避けるよう求める」との事務局長宛ての決議を採択。杉原リストについては、関係国の意見対立は特になかった。この方針を踏まえ、旧日本軍の従軍慰安婦資料の登録判断が延期された。