ハマグリと生タマネギが出会うと… 千葉・白子町の九十九里HAMAバーグ丼

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九十九里HAMAバーグ丼。タマネギとハマグリの2種類の食感が新鮮だ

 九十九里浜を望む千葉県白子町はこの時期、特産の「白子たまねぎ」の収穫でにぎわう。タマネギ狩りは5月いっぱい楽しめ、町中で網の袋にぎっしりタマネギを詰め込んだ販売所を見かける。

 「旬の新タマネギを生のまま入れると、めちゃくちゃ甘くておいしくなるんですよ」。九十九里HAMAバーグ丼を開発した洋食店「かわごえ」の川越定利さん(66)は、白子のタマネギを語り出すと、自然と表情が緩む。

 タマネギは炒めず生のまま大きめにみじん切りにし、白子特産のハマグリもブツ切り。「どちらが主役だか分からないでしょ」と川越さん。タマネギのみずみずしいシャキシャキ感と歯応えのあるハマグリの両方の食感が楽しい。肉は豚肉のみを使っており臭みはなく、ハマグリの旨味(うまみ)がにじみ出てくるような後味が残る。まさに白子町のおいしさを凝縮した一品だ。

 宮崎県出身の川越さんは大阪の料理学校を卒業後、全国各地のホテルやゴルフ場で料理長などを務めた。約15年前、一宮町の保養所勤務となった際に白子町に定住を決意。間もなく現在の洋食店を開業した。

 当初、故郷宮崎産の食材にこだわっていたが反応が鈍かった。同じころ、町おこしの話が持ち上がり、タマネギやトマト、海鮮など地元食材に着目するようになった。

 川越さんも加わって、町の商工会などで作る白子町名物料理開発部会で平成21年、海鮮スープ「白子流ブイヤベース」を考案。ガイドブックなどで紹介され、すっかり白子の名物として定着している。

 店のメニューも「千葉一色」の食材にこだわり、HAMAバーグ丼も、その延長線上で発案された。大漁だったゼンナ(小ぶりのハマグリ)を「ヘンに煮込むよりは生だよね」とハンバーグに入れてみると、これがハマッた。25年、東京で行われた「全国ご当地どんぶり選手権予選会」に出品し、好評だった。

 しかし、現在の店のメニューにHAMAバーグ丼は載っていない。旬な白子タマネギとハマグリが欠かせず、シーズンを外すと不本意な丼になってしまうためだ。

 ただ、今はシーズン真っ盛り。「タマネギも今が旬。ハマグリ漁も白子で解禁になる。夏ぐらいまでなら平気かな、と思っています」と川越さん。「『おいしいもの食べたよ』って、いい思い出を作ってもらいたい」というのが願いだ。

 敷居を低くして肩肘を張らずにフレンチを楽しんでもらいたいというのが、川越さんのモットー。「また食べに来ます」と言われることが何よりもうれしいという。

 かわごえでは、定番メニューのほか、「新白子たまねぎメニュー」の提供も始まっている。メニューにはない九十九里HAMAバーグ丼だが、材料の仕入れによって注文を受けるという。(千葉総局次長 飯村文紀)

 ■洋食店「かわごえ」 千葉県白子町中里4369。(電)0475・33・7025。営業時間は午前11時~午後10時。不定休。