【平昌パラ】「東京」追い風、強化策は成果も…選手層の壁なお - 産経ニュース

【平昌パラ】「東京」追い風、強化策は成果も…選手層の壁なお

閉会式で記念撮影する日本選手団ら=18日、韓国・平昌五輪スタジアム(桐原正道撮影)
 日本は10個のメダルを獲得し、前回ソチ大会の6個を上回った。2013年9月に20年東京大会の招致が決定した後、加速した強化策の成果が表れたといえる。
 17年度の国からの強化費は約12億8000万円。13年度の約5億1000万円から倍以上増えている。日本障がい者スポーツ協会のスポンサー数も、招致決定前の4倍になった。大日方邦子選手団長は「合宿回数や行き先の選択肢が増えた」と官民の支援に感謝する。
 メダルの内訳をみると、半数の5個はアルペンスキー女子座位の村岡桃佳(早大)が獲得。メダリストは4人しか生まれなかった。手厚くなった強化策が、選手層の厚さにつながっているとは言い難い。
 世代交代も課題で、国内競技人口約40人のパラアイスホッケーは、代表の平均年齢が41.9歳だった。20代が主力の米国に1次リーグで0-10と大敗した後、DF上原大祐(日本電気)は「強化と普及を両方上手にやっているかどうかの差」と語った。日本福祉大の藤田紀昭教授(障害者スポーツ論)は「地方に拠点を置く選手は国立スポーツ科学センターなどを活用しきれていない」と課題を指摘する。
 戦傷者のリハビリの一環として始まったパラリンピックは回を重ねるごとに参加国・地域が拡大し、スポーツイベントとしての価値も高めてきた。その一方で、ドーピングや、障害の程度を重く見せかけ有利なクラスで出ようとするなどの不正も生んだ。
 国際パラリンピック委員会が掲げる「共生社会の実現」には、日本でも理解が広がりつつある。早大スキー部が、村岡の入部を機に寮をバリアフリー化したのはその好例だ。
 パラ選手の活躍は、障害者の社会参加を促す大きなきっかけになる。選手強化に加え、「共生」の意識をさらに浸透させることも東京五輪・パラリンピックまでの重要なテーマとなる。(川峯千尋)