成田、攻め続け初代王者 バンクで勝負かけ3本目で唯一の48秒台

平昌パラ
スノーボードバンクドスラローム男子下肢障害 スマートフォンに自身のニュースが配信され喜ぶ成田緑夢=16日、韓国・旌善アルペンセンター(桐原正道撮影)

 風を切ってグングン加速した。成田は硬く凍ったバンク(斜面)を見事に攻略。滑走のたびにタイムを伸ばし3回目で出場20選手中ただ一人、48秒台をマークして初代王者に輝いた。2位とは0秒52差。「ちょっとしたことでコンマ数秒変わる世界で優勝できたことがうれしい」と喜んだ。

 多くの上位選手は滑るたびに記録を伸ばしていた。トップで迎えた3本目も攻めた。「失敗したら表彰台には乗れない。挑戦しよう」。緩く左に曲がる5つ目のバンクで勝負をかけた。ラインに沿った2本目までの滑りを一転させ、次のバンクへ向かって「縦」にボードを操った。強気を貫き2回目の49・61から1秒近くタイムを縮めた。

 努力と工夫でつかんだ金メダルだった。まひする左脚を前にして滑る左カーブの動きは、なかなかしっくり来なかった。特徴が異なる100個にも及ぶボードの試作品で動きを確認、最終的に左足だけ硬い素材のアルペンブーツを履き足首を固定する形になった。安定性が増し、滑らかなターンに結びついた。

 障害を負って5年で頂点に立った。「けがをしたときは歩ける確率も20%といわれた。同じような状況の人の光になれるんじゃないかな」。未完の24歳は2020年東京五輪、同パラリンピック双方の出場も視野に入れる。目標は「夢や感動、希望、勇気を与えられるアスリートに」。挑戦を続けていく。(川峯千尋)