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気候変動が原因か 時間差で襲来する“土砂雪崩”の恐怖

 復旧と同時に行われた原因調査で、意外な事実が明らかになった。「今冬は大雪に見舞われ、春が近づくにつれて気温が上昇し雪解けが進んでいた。降った雨とともに融雪水が浸透し、斜面の崩落につながった」。同事務所の担当者はこう説明する。

 今年1月上旬、福井市で最深積雪が1メートルを超えるなど、県北部は大雪に見舞われた。県内を通る北陸自動車道では最大1600台が滞留し、並行する国道などでも大規模な渋滞が頻発した。その後も断続的に降雪があり、3月に入ってもあちこちで残雪が目立った。

 永平寺町に隣接する勝山市では、3月の平年の最高気温は10度ほどだが、今年は3月1、2の両日とも気温は約16度まで上昇。急激な気温上昇で、雪解けが一気に進んだとみられる。現場の斜面は、風化した花崗(かこう)岩を含む地質で、大量の雪解け水で風化した層が崩れ、土砂災害が引き起こされたわけだ。

発生は予測困難

 県は、土砂災害の危険性がある斜面について見回りを強化するほか、今回と同様の風化した花崗岩を含む土壌を現地調査。法枠の打音検査で異常がないか確認を進めている。

斜面の所々に残る積雪。雪解け水が土砂崩れに大きく影響した=3月4日、福井県永平寺町
斜面の所々に残る積雪。雪解け水が土砂崩れに大きく影響した=3月4日、福井県永平寺町
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 だが、福井大工学部の藤本明宏准教授(地盤工学、雪工学)は「土砂災害はいつ、どこで起こるのか検知することは難しい」と指摘する。地質や傾斜角度などから危険性は評価でき、自治体が土砂災害警戒区域として公表しているが、災害自体が発生するタイミングは予測困難だからだ。

 近年は急激な気候変動で降雪量も増え、気温の変化も激しくなった分、雪解け水も大量に増え、地盤に大きな影響を与えるようになっているという。

 藤本准教授は「さらに融雪水は1カ月以上かけ、長時間にわたり浸透する。雨で崩れなくても、雪で崩壊する場合もある。有効な対策を見いだすためにも、融雪水が地盤に与える影響のメカニズムを調べることが重要だ」と警鐘を鳴らした。(藤谷茂樹)

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