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国が難色示してもコロナで連携する鳥取と兵庫の地と人の縁

オンラインで行われた兵庫、鳥取知事会議。新型コロナ患者の受け入れを井戸敏三・兵庫県知事(左)が平井伸治・鳥取県知事に要請した=令和3年4月、鳥取県庁
オンラインで行われた兵庫、鳥取知事会議。新型コロナ患者の受け入れを井戸敏三・兵庫県知事(左)が平井伸治・鳥取県知事に要請した=令和3年4月、鳥取県庁
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 新型コロナウイルス対応をめぐり、緊急事態宣言の対象になるなど危機的状況の兵庫県と、全国最少レベルの感染者数に押さえ込んでいる鳥取県が連携を深めている。兵庫側の医療提供体制の逼迫(ひっぱく)に伴い、鳥取側が兵庫の中等症以下の患者の入院を受け入れるとともに、兵庫県北西部と鳥取県東部の1市6町が共同でワクチン接種を実施する。連携の背景には、単に隣県というだけではない、重なり合う「地の縁」「人の縁」があった。

中等症以下受け入れに5床

 「兵庫県のコロナの状況を説明したうえで、ぜひお聞き届けいただきたいことがある」

 兵庫で1日のコロナ感染者数が600人を超えた4月28日、鳥取県庁とオンラインで結んだ緊急知事会議で、兵庫の井戸敏三知事はこう切り出した。待機中の入院調整者が1461人に達していることや、待機中に死亡した患者があること、入院確保病床の使用率が78・2%と飽和状態になっていることなどを説明したうえで、井戸氏は「何人でも結構です。中等症や人工呼吸器が外せない患者のできる限りの受け入れをお願いしたい」と要請した。

 これに対し、鳥取県の平井伸治知事は「兵庫県民も鳥取県民も命はともに大切。同胞として隣人として一定の役割を果たしたい。私の責任で中等症までの患者を当面5床受け入れる」と即答した。

県境越えてワクチン共同接種

 実はこの半月前にも、井戸、平井両氏はトップ会談で「全国初」(平井氏)となる別の新型コロナ対応を決めていた。それは県境を越えたワクチン接種の共同実施だ。

 エリアは、鳥取県東部の鳥取市、智頭(ちづ)町、八頭(やず)町、若桜(わかさ)町、岩美町と兵庫県北西部の香美(かみ)町、新温泉町の1市6町。通勤・通学や買い物、病院通いといった住民の往来が日常的にされる同一の生活経済圏を形成している。旧国名では「因幡」(鳥取県東部)と「但馬」(兵庫県北部)の一部で、平成30年には生活関連サービスや経済施策を共同で展開する「因幡・但馬麒麟のまち連携中枢都市圏」を設立している。

 鳥取県によると、県境を越えたワクチン接種実施には、都道府県単位としているワクチン配分の原則から厚生労働省が難色を示していた。厚労省と県は協議を重ねたが進展しないため、平井氏は「県境にあまりにも高い壁を立てると、結局、健康や命を守ることにつながらない」として、井戸氏とともに実施を決めたのだった。

 接種開始は早くても5月末以降で、鳥取に通院などをしている兵庫の2町民が鳥取側で個別接種を受けるケースが多いと想定されている。両県の合意を受けて厚労省健康課予防接種室は「それなら問題はない」と態度を軟化させている。

両知事の初任地も奇遇

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