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報酬アップは地方議員なり手不足解消の特効薬にあらず

 こうした変化とは別に、総務省の31年調査によると、鳥取県内町村議員の平均報酬は22万1473円で、県議の77万9千円、市議の43万4371円と比べると格段に低く、専業で生活するには厳しいのが実態。政務活動費の支給もなく議員活動費用は基本的に報酬で賄っている。引き上げ後の報酬28万円は町職員(一般行政職)の平均給料月額に準じ審議会が答申した額だ。

 一方、最終報告によると、平成23~29年の6年間で全体の1割を上回る全国95議会が報酬を増額していたが、報酬検討過程で懇談会や報告会などの住民参加を実施した議会の引き上げ実施率が高いことが特徴としてあげられた。最終報告は、議員報酬改定について「住民からの批判が多いテーマへの説明責任という意味があり、住民と考えることが望ましい」と指摘する。

 智頭町議会では、特別委が引き上げの結論を出したあとの昨年5月、町民向けの議会報告会を開催予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で開けず、町民へ直接、説明する機会がなかった。このため、議会だよりだけの報告となってしまった。それに加え、もともと「議会活動がみえない」と不満を抱いていた町民が反発したのが今回の事態の背景にあるようだ。

2年延期したが再度の検討も

 同町議会は、住民団体の指摘も踏まえて、議会の報告会の開催を来年度以降、現在の6地区から町内全87集落へ変更し「議会の見える化」を図る。さらに、議員活動の詳細な記録を全議員が行って引き上げの根拠とする方針を打ち出した。

 今月22日に閉会した3月議会では結局、署名を受けた議員報酬の引き上げ撤回議案を否決し、議員発議の報酬引き上げ条例実施の2年延期を可決した。大河原議長は「2年延期の間に、住民と意見交換し理解を得る活動を展開する。2年後に無条件に引き上げるのではなく、その時点で再度考える。町財政の状況を見てアップを見送ることだってある」と話した。

 一連の騒動は結果的に、議会と住民の間の距離を縮め、議会が本来果たすべき役割を作動させる引き金となった形だ。

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