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東北と米国の絆「支援から相互交流に」 「トモダチ作戦」遂行に貢献、スザンヌ・バサラ氏インタビュー

「日米間の草の根交流が被災地支援の重要な役割を果たした」と話す非営利団体「米日カウンシル」のスザンヌ・バサラ会長兼CEO=米日カウンシル提供
「日米間の草の根交流が被災地支援の重要な役割を果たした」と話す非営利団体「米日カウンシル」のスザンヌ・バサラ会長兼CEO=米日カウンシル提供

 東日本大震災をめぐる米軍による救援活動「トモダチ作戦」を主導した元駐日米大使、ジョン・ルース氏の上級顧問を務め、同作戦の遂行に貢献したスザンヌ・バサラ氏(51)が産経新聞のリモート取材に応じ、「日米間の草の根交流が被災地支援に重要な役割を果たした」と震災後の10年を振り返った。草の根交流は現在、震災経験を学ぶ相互交流の場に発展。両国の絆を強めている。(植木裕香子)

 「民間レベルでの人的交流こそが全ての基盤となることを思い知らせてくれたのが東日本大震災だった」。ルース氏を政策面でサポートする上級顧問だったバサラ氏は、こう述懐する。

 震災直後、米政府は被災者の救出活動などのため米軍横田基地(東京)など国内外から米軍兵士約2万人を被災地に派遣する「トモダチ作戦」を展開。「基地周辺で普段、親しくしている顔なじみの日本人と被災者の顔が重なる。何もせずにはいられない」。米軍兵士はバサラ氏らに対し、口々にこう訴えたという。

 バサラ氏が在日米国人の被害状況に関する情報を収集する際も、在日米国人と地元住民の結びつきが大きな役割を果たした。

 被災した岩手県陸前高田市で、津波で亡くなった米アラスカ州出身の男性外国語指導助手(ALT)、モンゴメリー・ディクソンさん=当時(26)=に関する情報を集めるため、教え子が避難する学校を訪問した。辛く不自由な避難生活を強いられているにもかかわらず、教え子らがモンゴメリーさんとの思い出をうれしそうに話してくれる姿が印象的だった。

 震災前まで米国海軍士官や米国防長官室日本部長を歴任したバサラ氏。強固な日米関係には両国の安全保障や通商政策が最重要課題だという意識が強く、民間レベルの草の根交流に対する関心は、決して高くなかったという。

 だが、震災を通じて考え方は大きく変わった。長年にわたる日米間の人と人との結びつきが、迅速な支援につながったからだ。

 「将来を担う若者の世代にも、日米の強固な絆を引き継ぎたい」。民間レベルでの交流の重要性を痛感し、震災翌年の24年に大使館を退官。日米の次世代のリーダーを育成する人的交流プログラムなどを手掛ける非営利団体「米日カウンシル」に転職し、副会長に就任した。

 トモダチ作戦の精神を新しい形で継承しようと、被災地の若者が米国を訪問する機会を設ける交流事業「TOMODACHI イニシアチブ」の展開に携わった。昨年末までに計333事業を実施。被災地の高校生ら日米の若者延べ9500人が参加した。

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