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【日本語メモ】「容疑者」が起訴後に「被告」になる

 数年前のある休日のこと。近畿地方のある喫茶店に入ると、店独自のブランドとして「全人(まとうど)」と名付けられたコーヒーがありました。休日の午後にふさわしい芳しい香りと深い味わい。のちほど、広辞苑で調べてみると、「(欠点のない完全な人の意)正直な人。律儀者」とあり、なるほどと思ったのですが、続いて「馬鹿なこと。とんま」ともあり、思わず首をかしげてしまいました。

(1)働き方改革に関する法案が成立

 状態が変化することで呼び方が変わる場合があります。「法案が成立」は、一見正しいようにみえます。しかし、法案自体はつくられたときに成立、つまり、存在しているはずです。このときに、語には「案」がついており、まだ議会を通過していません。法律としてはできあがっていません。法案が採決され可決した状態が「法律が成立」です。

(正解例)働き方改革に関する法律が成立

(2)△川○男被告は殺人罪で起訴された

 同じような考え方として、容疑者と被告の使い分けがあります。明鏡国語辞典(大修館書店)によると、「容疑者」は「犯罪の疑いを受けて捜査の対象になっている者」とあり、「被告」は「第1審で訴えられた側の当事者」。起訴は、「刑事訴訟で検察官が裁判所に公訴を提起すること」で、起訴の時点で、訴えられたことになり被告となります。実際の記事では「△川容疑者が起訴された。△川被告は~」などと、記事の途中で呼称が変わることになります。

(正解例)△川○男容疑者は殺人罪で起訴された

(3)ロケットに搭載された模擬衛星は本格的な代物だ

 代物(しろもの)は、「ある評価の対象となる人や物。多く、あなどっていう」(広辞苑)。「あなどって」という意味合いをふまえて使いましょう。「本格的な」という言葉とはマッチングしません。ところで、代物という漢字は、実はちょっと厄介です。代物は、複数の読み方が想定でき、多くの意味を持っています。「だいぶつ」は代物弁済。「だいもつ」は、「代金」や「代価」の意味で、「しろもの」にも同じ意味があります。大半は前後の文脈からどれに当てはまるか、読み取れるでしょう。

(正解例)ロケットに搭載された模擬衛星は本格的なものだ

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