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「すべての人が力を発揮する社会に」元五輪スイマーの井本さん 森会長発言問題を語る

ギリシャから引き継いだ東京五輪の聖火を披露する元五輪競泳代表の井本直歩子さん=2020年3月、アテネのパナシナイコ競技場(共同)
ギリシャから引き継いだ東京五輪の聖火を披露する元五輪競泳代表の井本直歩子さん=2020年3月、アテネのパナシナイコ競技場(共同)
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 東京五輪開幕まで半年を切る中、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が辞任を表明した。女性蔑視ともとれる発言による一連の騒動を受け、1996年アトランタ五輪競泳代表で昨年3月、アテネでの五輪聖火引継ぎ式で、ギリシャ側から聖火を受け取った井本直歩子さん(44)=国連児童基金(ユニセフ)職員=が産経新聞の取材に応じた。世界各地で勤務した経験から感じる日本社会の問題点、さらに世界に共通して今後必要なものとは-。(聞き手 西沢綾里)

 私は平等と差別根絶を訴える国際機関で10年以上、海外で働いてきた。今回の件が、ジェンダー(社会的・文化的につくられる性別)の不平等がはびこる日本社会の現状をいま一度、深刻に考える機会になってほしい。明るい未来をつくるために、私たちの意識が変わらなければならない。

 日本のジェンダーフリーに対する理解が遅れていることは周知の事実だ。その発端は根強い「偏見」「ステレオタイプ」(多くの人に浸透している固定観念や思い込み)によるものが大きい。

 若い人の間では、確かにジェンダーの偏見は変わりつつある。少し前に流行った「イクメン」という言葉はすでに古く、男性が育児に参加することを当たり前とする男性も多いのではないか。とはいえ、料理ができる女性に「いい奥さんになれるね」と言ったり、「三歩下がった妻」を美化する人は、男性にも女性にも少なくない。

 なぜ偏見がいけないのか。個々の可能性を抑制したり、無意識の差別につながったりするからだ。男女は「こうあるべき」という無意識の偏見のレンズを通し、物事を捉えると、「それは女性らしくない」「出しゃばりすぎだ」といった反応につながる。

 私自身、自分が持っている偏見を意識的に取り払う作業を日々行っている。日本の場合には、女性自身の偏見による影響も大きいと感じる。常に遠慮をしたり、口を出さなかったり、出世をしたくないと思っている人も多いように映る。

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