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マスク着用守られず、ビュッフェ時間差対策も ハンドボール世界選手権の「バブル」の中で見えたもの

世界選手権の期間中、選手たちは連日、PCR検査を受けた=エジプト(Yukihito Taguchi / JHA提供)
世界選手権の期間中、選手たちは連日、PCR検査を受けた=エジプト(Yukihito Taguchi / JHA提供)
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 エジプトで1月に開催された男子ハンドボール世界選手権で、日本は24年ぶりに1次リーグを突破して19位となり、東京五輪に向けた強化が着実に進んでいることを示した。一方、新型コロナウイルスの感染が世界的に広がる中での今大会の運営は、東京五輪に多くの示唆を与える内容だった。日本代表チームが帰国後14日間の自主待機中、選手団長を務めた日本協会の田口隆強化本部長(59)にオンラインで取材し、大会を振り返ってもらった。(宝田将志)

 --今大会の日本の成績をどう評価しますか

 「『たかが19位であんなに喜んで』との声もあるが、ここまで(低迷から)抜け出せず、もがき苦しみ、はいつくばってでも進んできた結果だ。壁を打ち破った喜びなのだから、その姿を知ってもらうのは大事なこと。トップ10のチームとの勝ち点差を考えれば、『東京五輪でベスト8』という目標に光が見えた。大きなステップアップといえる。もちろん選手をはじめ関係者は19位で満足してはいない」

 「最終戦の相手となったバーレーンはアジアのライバルで、絶対に勝たなければいけなかった。格が上のチームに挑むのとは違った重圧があり、(長丁場の大会で)日本のコンディションも落ちていたが、前半から圧倒して勝てた。成長の証しだ。ダグル・シグルドソン監督のチーム戦術が浸透し、選手層が厚くなった。チームの『勝つんだ』という熱量が強くなってきた」

 --プレー面では、どこが良かったでしょう

 「攻撃で得点が極端に止まることがなかった。19年までに国際経験を多く積めていたし、今季はコロナ禍であっても国内で試合ができて実戦感覚を養えていたのが大きかった。それでもまだ、後半になるとシュートの精度が落ちる。(交代して戦える)選手層をさらに厚くし、個々のレベルを上げられれば、1試合、また大会全体を通して、もっとエネルギーを維持できるだろう。あとは攻撃で高さのあるプレー、空間を(3次元的に)使うプレーがもっと出てくれば。ディフェンスの間に割って入っていくプレーだけでは、相手ゴールキーパーの重心が上下に動かない。構えやすく、捕りやすくなってしまう」

 --田口強化本部長は1988年ソウル五輪に選手として出場し、97年熊本世界選手権は代表コーチを、99~2003年には代表監督を務めました。過去と比べて現在のチームの特徴は

 「現場で携わった頃と今とではハンドボールのルールも変わっているし、(プレーの)中身も変わっているので比較にならないが、シグルドソン監督のチーム編成は、マルチにいろいろできる選手より、世界に通用する武器を何かしら持っている選手を選考している面がある」

 --今大会はコロナ感染対策として、各国選手団を泡で包むように外部から隔離する“バブル”方式で開催されました

 「選手たちは環境をプラス思考で捉えて雰囲気は明るかった。当初、PCR検査は試合前日と、試合がない時は3日に1回というレギュレーションだったが、途中で変わって毎日した。(検体採取は)鼻とのどに綿棒を入れて。鼻はのどに届きそうなくらい奥まで入れるので、みんな涙目になっていた。それはストレスだったかな。エジプトに1月3日から25日まで滞在して、合計で17、18回やったと思う」

 「大会直前に感染者が出た2チームが出場を取りやめた。ブラジルも自国を出発する直前のPCR検査で5人くらい陽性者が出て、一度、出国を取りやめて別の選手を招集し直したらしい。各チームとも出国72時間前の陰性証明書を持参してエジプト入りしたが、それでも現地で選手やスタッフ、ドクター、メディア関係者から陽性者が出た。マスク着用のルールが順守されない面もあった。“バブル”自体が不安定だったので、大会側が放っておくと陽性者が広がると考え、検査頻度を高めて管理する方法に変えたのではないか」

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