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幼い被害者の声を証拠に…広がる「司法面接」 逆転判決の例も採用にはハードル

 性犯罪や虐待の被害に遭った子供らから検察や警察、児童相談所(児相)が連携し早い段階で話を聴く「司法面接」が広がりをみせている。正確な事実確認や心理的負担の軽減が目的で、昨年12月には家族間で起きた強姦事件をめぐり東京高裁が被害児童の司法面接の記録を証拠採用し、1審で無罪だった父親に逆転有罪判決を言い渡した。ただ、司法面接の記録が刑事裁判で証拠採用されるハードルは高いのが現状で、専門家からは証言を鑑定する機関の創設を求める声も上がる。(村嶋和樹)

尋問方法が不適切

 「(保護される直前の)金曜日だった」

 静岡県内の自宅で平成29年、当時12歳の長女に乱暴したなどとして実父が強姦などの罪に問われた事件。長女は児相に保護された当初、「毎週金曜日に被害に遭っていた」と訴えており、約1カ月後に行われた司法面接でも、直近の被害についてこう即答した。

 だが、1審静岡地裁公判で実施された証人尋問で長女は、「途中から金曜日じゃなくなった」と説明を変えた。弁護人や裁判官が確認の質問を繰り返すと、長女の説明は「週3回被害があった」と再び変化。結局、31年3月の1審判決は「重要な要素である被害の頻度や曜日について証言が変遷している」と供述の信用性を疑問視し、強姦罪について父親を無罪とした。

 これに対し、昨年12月の2審東京高裁判決は、長女に軽度の知的障害があったと認定し「頻度を問う質問の意味を理解して正確に答えること自体が困難」と判断。1審裁判官の尋問の方法が「不適切だった」とも指摘し、証拠採用した司法面接の記録内容の信用性を認めた上で、1審判決を破棄し、求刑通り懲役7年を言い渡した。

冤罪事件の反省

 被害児童に配慮しつつ、法的な判断に使用できる精度の高い情報を聞き取る司法面接は、深刻な冤罪事件が起きた欧米で発達してきた手法だ。

 1983年に米国で起きた「マクマーティン事件」では保育園児ら369人が職員による虐待などの被害を訴え、経営者一家らが逮捕されたが、証拠は発見されず無罪が確定。英国でも86~87年、里子など125人の児童が性的虐待を受けたと医師に診断されたが、精査の結果、性的虐待はなかったと結論づけられた。

 いずれも、児童に対する誘導的な聴取が原因とされた。こうした反省から、児童から正確な情報を聞き出す重要性が意識されるようになったという。

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