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ディープインパクトの子も活躍 人も馬も癒やされる牧場

さんさん牧場で飼われているアスールアラテラ=2月3日、島根県益田市
さんさん牧場で飼われているアスールアラテラ=2月3日、島根県益田市
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 医療機関が運営する全国でも珍しい牧場が島根県益田市にある。日本海が望める小高い丘の上にある「さんさん牧場」。就労継続支援A型事業所「さんさん牧場」スタッフの精神障害者らが働きながら、馬の世話を通して心身を癒やすホースセラピーや乗馬体験などを実施している。飼育されているのは引退した元競走馬たち。牧場では「いつでも、だれにも、等しく陽の当たる場所を」をスローガンに、みんなが心安らかに暮らしている。

引き取り先が少ない競走馬

 2月上旬の昼下がり。競馬の世界から引退した元競走馬が調教を受けたり、のんびり過ごしたりする姿が見られた。コンマ1秒を争う競馬場とは一線を画す静かな時間が流れる。

 この中にいたのが、名馬「ディープインパクト」を父に持つ13歳の「アスールアラテラ」。現在はホースセラピーや乗馬体験などで活躍する。

 11歳まで競走馬として働き、195戦6勝。爪が柔らかく安定した走りができなかったのが戦績を残せなかった要因の一つという。

 おとなしい性格だったため、競走馬時代の元オーナーらの働きで、引退馬を保護する日本サラブレッドコミュニティクラブのホースシェルター(一時避難馬房)に預けられ、同牧場にたどりついた。月4千円の1口オーナーが生活を支える。

 同牧場を運営するのは精神神経科の社会医療法人・正光会「松ヶ丘病院」。同牧場の大賀満成施設長は「血統がよくてもいい成績を残せないと処分される。この馬は運のいい馬です」と説明する。

 同牧場によると、国内では毎年7千頭の競走馬が生まれ、5千、6千頭が厩舎(きゅうしゃ)を出される。だが引退後に繁殖馬や乗馬などとして余生を過ごせるのはわずか。競走馬は気性が荒いために引き取り先が少ない。

刑務所でも活躍

 同牧場では現在飼育する5頭のうち4頭が元競走馬。栗毛がきれいな9歳のキュウちゃん(競走馬名・アグネスイヴァン)もその1頭だ。たまたま牧場を訪れた人が競走馬の引退後の実情を知り、オーナーになることを希望した。その時に厩舎を出される予定だったのがキュウちゃんだった。大賀施設長は「その話がなければ今頃処分されていたかもしれない」と振り返る。

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