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クジラの混獲でも標的にされ責め立てられる「太地町」

和歌山県太地町沖で定置網に入り込んだミンククジラ(関係者提供)
和歌山県太地町沖で定置網に入り込んだミンククジラ(関係者提供)
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 水産庁によると、平成31(令和元)年に混獲されたのは114頭で、うち105頭が捕獲、市場で販売されるなどした。29年は167頭、30年は91頭で、平均すると年間100頭程度が報告されている。都道府県別では、和歌山が目立って多いわけではなく、31年は石川20頭、岩手14頭、和歌山は4頭だった。

 捕鯨業者以外がミンククジラを含むヒゲクジラを捕獲することは禁止されている。ただ、混獲されたクジラについては同庁の取り決めがあり、クジラを逃がすよう努めることが求められるが、人的被害や漁具の破損の恐れがある場合は捕獲が認められている。

 こうして捕獲したクジラ肉を販売する場合、DNA検査の結果を提出させるなど、正規の捕鯨と同様に厳しく個体管理が行われる。偶然の混獲を装ってクジラをとらえることがないよう、徹底した管理がされているというわけだ。

「ザ・コーヴ」で有名に

 レアケースともいえない混獲が、今回はなぜ世界で波紋を広げたのか。

 同町に在住し、約10年にわたりクジラに関する取材や研究を続ける元AP通信記者の米国人、ジェイ・アラバスターさん(45)は「海外でも太地といえば、捕鯨やイルカ漁の町として有名」という同町の“ブランド力”を理由に挙げる。

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 地元で行われるイルカの追い込み漁を批判的に描き、2010年にアカデミー賞を受賞した映画「ザ・コーヴ」が、皮肉にも太地の名前を世界に広めるのに大きな役割を果たした。

 環境保護団体は「太地発」でクジラやイルカ漁の話題を配信することで、「あの太地で残酷な捕鯨が続いている」と強力に印象付けることができる。こうした団体の狙い通り、今回のケースでは海外メディアが太地のイルカ漁と結びつけて報じていたという。

 日本の捕鯨を標的とする活動家らが、太地の知名度を利用しながら批判的なメッセージを発信し続けている。アラバスターさんは「捕鯨の是非についてそれぞれの考え方はあると思うが、対話の中でお互いの理解を深めていく姿勢が必要ではないか」と話す。

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