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【山本一力の人生相談】一番嫌われたくない人から遠ざけられた

イラスト・千葉真
イラスト・千葉真

相談

 50代の会社員。35年来の女性の友人に突然距離を置くといわれ、着信拒否、転居先も教えてもらえず、事実上の絶縁状態となりました。

 20代の頃に結婚したいと思った相手ですが、思いはかなわず友人は別の人と結婚。そして離婚をしました。その間も、年賀状を送れば返事が来て、誕生日のプレゼントを贈るとお礼の手紙をもらったり。穏やかな関係を続けていたのに、なぜ怒りを買ったか理由が分かりません。彼女の姉に相談すると17年前のある出来事が理由で彼女が怒っているといわれましたが、「なぜ今?」との思いです。

 残りの人生、彼女に嫌われたままで過ごすことに耐えられません。せめて年賀状のやりとりを続け、穏やかなつながりを保ちたい。どうか適切な助言をよろしくお願いいたします。

回答

 男いのちの純情は

 燃えてかがやく金の星

 古賀政男作曲、佐藤惣之助作詞、藤山一郎が熱唱した「男の純情」。戦前の名曲を、貴兄の相談に接したことで、にわかに思い浮かべた。

 歌詞もかくやの男の純情に、強く打たれたがゆえかも知れぬ。

 それに比して……。

 貴兄が思い描くほどには、あなたのマドンナは純粋でも純情でもないぞ。

 あなたが彼女に抱く思慕を充分に知っていながら、他の男性と結ばれた。

 あなたは賀状、誕生日プレゼントを続け、彼女もそれを受け入れていた。

 この一事だけで、彼女の人間性には疑義を抱いてしまった。

 しかも彼女の離婚後も、逢うはかなわずとも、手紙やプレゼントは続いていた。

 ところが彼女になにが生じたかは知らぬが、突然に絶交を人づてに告げられた。

 相談内容をなぞり返して、わたしが思い描けたのは、自分本位に生きる女性像だ。

 邪魔にならない限りは、あなたとのやり取りを断ちはしない。結婚していた間も、賀状もプレゼントも受け取っていたのも、あなたが邪魔ではなかったからだろう。

 唐突に絶交を言い出したのは、彼女の逆鱗に触れたからでは、断じてない。

 あなたの存在が邪魔になったからだ。

 しかしここからが「男の純情」の難儀なところだ。当方の邪推が正鵠(せいこく)を射ていたとしても、貴兄は変わらぬやもしれぬ。

 いいじゃないか、それで。マドンナはマドンナのまま、胸に留めておけばいい。

 が、貴兄の純真さに打たれる女性も、いつの日にかあらわれよう。そのときは迷うことなく、燃えよ金の星だ。

回答者

山本一力 作家。昭和23年生まれ。平成9年「蒼龍」でオール読物新人賞を受賞しデビュー。14年「あかね空」で直木賞受賞。2月26日に新刊「湯どうふ牡丹雪 長兵衛天眼帳」(KADOKAWA)を発売。近著に「牛天神 損料屋喜八郎始末控え」(文芸春秋)、「ジョン・マン7 邂逅(かいこう)編」(講談社)、「後家殺し」(小学館)など。

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