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感染者居住地域は公表すべきか 変異種確認で苦悩する静岡県

オンラインで行われた静岡県感染症対策専門家会議では、委員から変異種感染者の居住地域を公表するよう求める意見が続出した=20日夜、県庁(田中万紀撮影)
オンラインで行われた静岡県感染症対策専門家会議では、委員から変異種感染者の居住地域を公表するよう求める意見が続出した=20日夜、県庁(田中万紀撮影)
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「差別」の実例

 国や県が今回感染者の居住地を公表しなかったのは理由がある。感染者ばかりでなく公表された地域全体が、いわれなき誹謗中傷にさらされるのを避けるためだ。

 新型コロナの感染が拡大し始めて以降、県内でも差別的な事例が確認されていた。クラスター(感染者集団)が発生した病院の職員というだけで、マンションのエレベーター利用を制限されたり、美容院の利用を断られたり、子供が保育園で預かりを拒否されたり-といった事例が少なくとも約60件あった。

 厚労省が自治体に示した感染症発生時の情報公表の基本方針には、エボラ出血熱のような危険性の高い「1類感染症」でも、偏見や差別防止の観点から、居住地は「都道府県」までを基本とし、それ以上は「蔓延(まんえん)防止に必要な範囲」とされている。県内では21日にも4人目の60代女性の変異種感染が確認されたが、地域名は非公表とした。

 県によると4人とも、感染の恐れがある期間の濃厚接触者は特定できており、不特定多数と接する行動もなかった。県が「県民への特別な行動制限は必要ない」としたのも、こうした理由からだった。

医療現場の切実な声

 一方、コロナ対応病床の使用率が50%超という逼迫(ひっぱく)する状況で、医師ら専門家会議の委員の大半が求めたのが、東・中・西部の地域別、もしくは県内9カ所ある保健所管内の単位での公表だった。「感染力が強いとされており、事前に受け入れ体制を整え、より多くの病床を確保する必要がある」。切実な訴えだった。

 地域名の公表によって住民にさらに入念な感染防止対策と警戒を求めることで、地域全体の感染者が減り、医療崩壊を防ぐことにもなるとの指摘もあった。従来種の感染者については、すでに市町名を公表している現状もある。

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