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「弁護士は死刑廃止論者」を覆した兵庫の弁護士たち

 日本弁護士連合会(日弁連)や各地の弁護士会で死刑制度廃止を求める動きが活発化する中、兵庫県弁護士会(友広隆宣会長)で昨年11月、死刑廃止の決議案が内部の意思決定機関で反対多数になり、否決されたことが分かった。「大半が死刑廃止論者」とのイメージを持たれがちな弁護士だが、決議案に反対した有志は「実態は全く異なる」と訴える。否決の舞台裏を取材した。(桑村朋)

政治活動と同じ

 「賛成7票、反対9票、棄権4票。反対多数で否決されました」

 昨年11月の兵庫県弁護士会の常議員会で、死刑制度の廃止を求める決議案が議題に上がった。最終決定機関の総会に上程するかどうかの賛否が問われ、全メンバー30人のうち出席者20人で採決されたが、最終的に反対多数で否決された。

 会員の代表者で構成する常議員会は、さまざまなテーマを個別に議論する委員会が作った決議案について協議し、賛成多数なら総会に上程する。通常は形式的な質問があるだけで議案は“素通り”するが、この日は違った。

 「死刑は国家による最大の人権侵害。全ての人の人権を守るのが弁護士会の責務だ」と唱える死刑廃止賛成派。これに対し、反対派は「人権に名を借りた政治活動と同じ。賛否が決して交わらない問題は内部対立を生む。強制加入団体の弁護士会でやるべきではない」と猛反発した。

 普段は数分で終わる議論は1時間近くを要した。結果、決議案は総会に上程される前に常議員会で否決されたが、反対した吉村弦(ゆずる)弁護士は「事前に各方面への協力依頼をしなければ、今頃総会を通っていたかもしれない」と振り返る。

熱心な廃止賛成派

 実は昨年2月、同じ決議案がすでに常議員会に諮られ、一度は賛成多数で通過していた。だが新型コロナウイルスの影響で総会が中止になり、メンバーが変わった今回、再び審議の対象になったという。

 こうした動きを受け、吉村弁護士ら有志6人は昨年秋、「決議に反対する有志の会」を結成。再び総会に上程された場合、決議に反対なら委任状で態度を明確にするよう、他の会員に働きかけた。テレビでも活躍する北村晴男弁護士(東京弁護士会)も本紙で死刑廃止決議の問題点を論じており、その記事も添えて理解を求めたという。

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