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女性昆虫学者が世界初解明、コケに化けるイモムシのツノ

 特に陸上でコケを食べる種は複雑に発達した肉質突起や体の斑紋(はんもん)=まだら模様=などがあり、「コケをまねることができて天敵の目をごまかしていると考えられる」と推測。「(肉質突起の存在は)目がよい賢い捕食者から身を守るためとしか考えられない。コノハチョウが色や斑紋で枯れ葉に似せているのと同様です」という。

 さらに今田さんは、幼虫を薄く切断して観察し、側面の突起部分だけは内部に筋肉が発達し、チョウの幼虫の「腹脚」のような構造をしていることを確認。幼虫が前進する際に役立てていることを発見した。湿って足場の不安定なコケの上をはうのに適した構造と考えられるという。

「虫愛ずる姫君」

 擬態といえば、体の色や模様に注目した研究は多いが、肉質突起のような構造物の役割に焦点をあてたものはほとんど例がないという。今回の研究は、突起について、擬態に運動にと、多面的な役割を果たしていることを示した、世界で初めての快挙となった。

 子供のころから昆虫が大好きだったという今田さん。京都大大学院博士課程を修了し、米国スミソニアン研究所国立自然史博物館古生物学部門の研究員などを経て平成30年に帰国し、愛媛大学で研究を続けている。シリブトガガンボ亜科の幼虫に出合ったのは約10年前。「京都の森を歩いていて、たまたま幼虫を拾った」ことだった。

 シリブトガガンボ亜科について今田さんは「幼虫の姿が種によって異なる進化の過程を明らかにしたい。天敵と進化の相互作用は明らかなので、それが何なのかも解明したい」と話す。

 あまりの虫好きから、平安時代の物語集「堤中納言物語(つつみちゅうなごんものがたり)」に収録された話にちなみ「虫愛ずる姫君」と呼ばれることもあるという今田さん。意欲は尽きない。

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