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【日本語メモ】「準備万端」では足りません

 年の瀬を迎えて、2020年を振り返るニュースが増えてきました。12月1日に発表された「新語・流行語大賞」の年間大賞は「3密」でした。同じく、12月恒例の京都・清水寺で揮毫される「今年の漢字」も「密」。このように、2020年は、新型コロナウイルスに埋め尽くされた一年と言わざるを得ません。47都道府県が財政が厳しいときのために「貯金」として積み立てている「財政調整基金」も、新型コロナ対策に充てられ、3分の1近くにまで減らしたという報道も、秋口にありました。緊急事態宣言を出したときの経験を経て、感染の次の波に対する日本国の備えは、残念ながら「準備万端整っていた」とは言いがたいようで、年越しを目前に正念場を迎えているようにみえます。

(1)貯金にあたる財政調整基金を切り崩す

 「切り崩す」は、広辞苑には「山を切り崩す」「相手の結束を切り崩す」との用例があり、「取り崩す」の意味は「とりこわす。ためたものを、次第に取ってなくす」としています。「次第に」とあるので、一気になくすことは当てはまりません。誤用が多い言葉の一つで、将来的には「取り崩し」支持派が切り崩されてしまうかもしれません。

(正解例)貯金にあたる財政調整基金を取り崩す

(2)他の出席者から「そうだ」との合いの手が上がった

 「合いの手」は、邦楽で唄と唄の間に入る楽器だけの短い演奏が由来。そこから、会話や物事の進行の間に入れるかけ声や手拍子のことも指すようになりました。間に差し込むので、例文でも「合いの手が入った」ならピタリときます。

(正解例)他の出席者から「そうだ」と賛同の声が上がった

(3)いつ起きても対処できるように準備万端にしておく

 「準備万端」は、「準備万端整う」と続いていれば、何ら問題がありません。ただ「準備万端」だけでは不完全なのです。「万端」という語は「あらゆる事柄」を表し、それ自体に状態を表すニュアンスが含まれていません。「万全」なら「全てに完全で手落ちのないこと」の意なので、「準備ができあがっている」ことを表せます。新聞では見出しが「準備万端」で終わっていて、直しを入れることがよくあります。

(正解例)いつ起きても対処できるように準備万全にしておく

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