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【ビジネス解読】米中対立で漁夫の利 経済一人勝ちのベトナムに米国が圧力

 ベトナムの対米黒字は、米中対立の激化に伴い拡大してきた。中国国内の現地企業や外国企業は、米国による経済制裁回避へ、中国国外へ製造拠点を移転する動きを加速。その結果、賃金も比較的安くインフラ整備も進むベトナムが移転先としての魅力を強め、ベトナムからの米国向け輸出が増加しているからだ。

 米側統計では、米国のベトナムとの1~10月のモノの貿易収支は566憶ドル(約5兆8000億円)の赤字で、赤字額は日本やドイツを上回り国別で3位だった。別の資料では、2010年に143憶ドルだったベトナムの対米輸出は、19年には614憶ドルに増加している。

 新型コロナウイルスもベトナム経済の〝一人勝ち〟を後押ししている。日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、ベトナム政府は3月、新型コロナの感染拡大防止へ迅速に対応し、初期段階で押さえ込みに成功。4月中旬からは制限措置を段階的に緩和し、5月以降はほぼすべての経済・社会活動の再開を認めた。周囲の東南アジア諸国に比べて感染対策に成功しており、共産党の一党支配や社会構造が理由に挙げられる。

 その結果、1~9月のベトナムの輸出は、米国向けが前年同期比22・9%増など好調だ。品目別では、電機機器や家具、玩具・運動用具などで大きく伸びた。一方、中国はこれらの品目で対米輸出を大きく落としている。新型コロナを受けた米国の「巣ごもり需要」がベトナムの輸出を増やしている。

 日本も近年、ベトナムと関係を深めてきた。中国の南シナ海でのベトナム漁船に対する威圧への対処能力向上へ、巡視船供与などの協力を続けている。ベトナムに対する投資国(認可ベース)で2018年の順位は(1)日本(2)韓国(3)シンガポール(4)香港(5)中国-の順位だった。だが、19年には(1)韓国(2)香港(3)中国(4)日本(5)シンガポール-と、日中が逆転した。

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