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【ビジネス解読】米中対立で漁夫の利 経済一人勝ちのベトナムに米国が圧力

会談前に握手するベトナムのフック首相(右)と菅首相=10月19日、ハノイ(代表撮影・共同)
会談前に握手するベトナムのフック首相(右)と菅首相=10月19日、ハノイ(代表撮影・共同)

 米国とベトナムの間に亀裂が生じている。半世紀前に終結した戦争の恩讐を乗り越え両国は近年、首脳の相互訪問を繰り返すなど友好関係を築いてきた。南シナ海への進出を強める中国を牽制(けんせい)する思惑が一致したことが大きい。だが、ベトナムの対米貿易黒字もそれに伴い増大し、米トランプ政権はベトナムを「為替操作国」に認定した。米中対立で「漁夫の利」を得たベトナムの経済は今後、米大統領就任を確実にしたバイデン前副大統領の通商政策に大きく左右されそうだ。

 「貿易で不公正な優位性を生み出すことを目指してはいない」。ベトナム国家銀行(中央銀行)は17日に声明を発表し、経済安定を目的とした合理的な金融政策を実施していると反論した。米財務省が16日、外国為替報告書を発表した中で、ベトナムとスイスの2カ国について、自国通貨を安値に誘導している為替操作国に指定したためだ。

 同報告書は、主要な貿易相手国・地域の通貨政策を分析し、半期に1回公表される。米中貿易摩擦の激化を受け、米国は昨年8月に中国を25年ぶりに為替操作国に指定したが、米中合意を受けて今年1月に解除。今回、中国は日本や韓国などと同様に「監視対象」にとどまった。

 米財務省は今後、ベトナムと2国間協議を実施し、問題解決に向けた行動計画を策定するとしているが、実質的な対応は次期バイデン政権に委ねられる見通しだ。米通商代表部(USTR)もベトナムの為替政策に関する調査に着手。親中派のカンボジアから違法伐採した木材の輸入や加工なども調査するとしている。

 また、米商務省は11月、ベトナムからのタイヤ輸入について、ベトナムが通貨の切り下げを行ったことが補助金供与にあたるとして、相殺関税をかけることを決めた。商務省は今年4月、為替操作を補助金と見なせるよう規則変更を行っており、適用はベトナムが初となった。今回の措置は仮決定で来年3月に最終決定を行うため、正式に「クロ」認定するかはやはり、次期バイデン政権次第だ。

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