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東西融合、独自のアクセント持つ新宮弁「知ったある」

雄大な熊野灘に面した和歌山県新宮市の市街地
雄大な熊野灘に面した和歌山県新宮市の市街地
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 芥川賞作家の中上健次(1946~92年)が生まれ育った和歌山県新宮(しんぐう)市の言葉は「新宮弁」と呼ばれ、独特のアクセントで知られる。語尾の「や」「わ」など関西と近いものもあるが、抑揚は標準語と関西弁が入り交じったような印象を受ける。新宮市は周辺の大都市とは距離があり、方言の専門家は「周りの影響を受けずに成立した独自のアクセントで、注目される地域」と指摘する。  (張英壽)

大阪で「東京っぽい」東京で「関西弁強くない」

 「大阪に行くと『東京っぽい』、東京に行くと『関西弁が強くない』と言われます」。新宮生まれ、新宮育ちの市の男性職員(35)はこう打ち明ける。

 新宮弁はアクセントも標準語と大きく変わらないが、時折関西の抑揚が交じるようにも聞こえる。くだけた会話では、語尾などに関西弁の要素が強くなるが、全体的な抑揚は関西と異なる。

 ただ新宮弁の個々の言葉は次第に使われなくなっており、東京や大阪の影響が強くなっているという。

 そんな状況に危機感を抱き、新宮弁を後世に伝える活動をしているのが、市内在住の城和生(じょう・かずお)さん(70)だ。市広報誌に平成25年から27年まで「わがら(われわれの意味)の新宮弁講座」を連載。現在も市広報誌に「新宮弁辞典」を執筆し、地元ラジオにも出演している。

語尾は「やだ」「わだ」

 城さんは、新宮市と合併前の熊野川町に生まれ、大学入学とともに上京。東京での会社員生活を終え、24年にUターンした。

 「新宮弁は、語尾の『やる』と『たある』が二大特徴。『食べやる』『走りやる』、『知ったある』『酔うたある』と使う」。新宮弁の特徴を尋ねると、こう即答した。「やる」は「ている」という現在進行形、「たある」は進行形であるとともに時には完了の意味にもなるという。

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