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【一聞百見】私学改革…未来を生き抜く力を育む 前三田学園理事長・北畑隆生さん

「グローバル人材の育成には語学だけでなく実践力を身につけさせることが必要だ」と語る北畑さん=東京都品川区(松井英幸撮影)
「グローバル人材の育成には語学だけでなく実践力を身につけさせることが必要だ」と語る北畑さん=東京都品川区(松井英幸撮影)
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 少子化に伴う入学志願者の減少や来年実施の新大学入試で本格化する教育改革の波のなか、全国の私立学校が改革を進めている。明治44年創立の名門三田学園中学高校(兵庫県三田市)もそのひとつ。OBで元経済産業省事務次官、北畑隆生さん(70)に改革を託し、6年間理事長として先導した北畑さんは「少子化で社会の担い手が減少し価値観の多様化が進む時代はひとりひとりが生き抜く力をつける教育が必要」という。どう改革を進めたのかを聞いた。

(聞き手・編集委員 北村理)

創意工夫と協働精神が財産

 --三田学園は俳優の渡哲也さん(今年8月、78歳で逝去)の母校ですね

北畑 男子校でバンカラな気風があって、渡さんは親分肌で寮の番長だったという伝説をよく聞きました。私の理事長就任時は激励の色紙を贈っていただき、母校愛の強い方だなと思いました。

 --北畑さんはどのような学園生活でしたか

北畑 中学から入った軟式テニス部で1年中汗を流していました。当時は顧問も1人しかおらず、練習は生徒が工夫しました。中高一貫校だから6学年が一緒に活動し、技術的なことやライバル校に勝つには何が必要かなど知恵を出し合いました。こうしてキャプテンやマネジャー、仲間、先輩とのチームワークのなかで社会というものを意識するようになりましたね。持論ですが、今の教育改革で目指されている「人生を主体的に切り拓(ひら)く」力をつけるには運動部の経験は教室で得られない学びの場と考えています。

三田学園中学に在校時の北畑さん(右、本人提供)
三田学園中学に在校時の北畑さん(右、本人提供)
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 --勉強だけでは物足りないということですか

北畑 高校までの学習は、正解が必ずあるという前提で答えを見つけ出す方法を学びます。しかし、たとえば運動部の活動にはこうしたら必ず勝てるという正解は存在しない。より良い結果を出すためには部員全員が協力し創意工夫を続けねばなりません。社会ではそれが求められます。

 --現在進められている教育改革でもそういったことが求められています

北畑 私が経済産業政策局長時代に、経産省は、職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力「社会人基礎力」という概念を提唱しました。社会人基礎力とは「考え抜く力」「前に踏み出す力」「チームで働く力」です。提唱した背景には、大学教育と社会で求められる能力との乖離(かいり)、大学では実践的な教育をしていないという産業界の問題意識がありました。

(次ページは)文武両道へ部活動時間を制限…

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