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【法廷から】被告の沈黙に隠されたものとは 身勝手な犯行にやりきれぬ怒り 山形女医殺害事件

山形地裁(柏崎幸三撮影)
山形地裁(柏崎幸三撮影)
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意識障害の有無

 公判では、殺意の有無とともに、加藤被告が服用していた抗うつ剤と飲酒の併用で意識障害が生じていたかが主な争点になった。

 加藤被告は公判で、1回目の殴打は認めるものの、2回目以降は「記憶がない、覚えていない」と繰り返した。

 加藤被告を精神鑑定した医師は「1回目の殴打後、パニックによる解離性反応や時間とともに嫌な記憶は蓋をして消し去りたい『健忘』が起きた可能性がある」と証言。その一方で、「抗うつ剤と酒との併飲で意識障害は考えられない」との見解を示し、鑑定時に「(加藤被告は)複数回殴打したと述べていた」と、公判での加藤被告の証言を否定した。

 検察側は、精神鑑定の医師の証言や捜査段階での被告の証言から、「意識障害などなく責任能力に問題はない」とし、「殴打に危険性を認識し、殺意はあった」と指摘した。

 弁護側は「パニックになっての殴打で、偶発的犯行で殺意はなかった」と主張。加藤被告は終始、「覚えていない」と繰り返し、最後まで犯行動機などについて口にすることはなかった。

遺族の怒り

 検察官や弁護人から犯行当時の状況を問われても加藤被告は、被害者にゴルフクラブを振り下したことや被害者を殴打した後に手を洗ったことなどを証言したが、殴打が複数回にわたったかどうかについては「記憶にない」と主張した。

 また、現場周辺の複数の集合住宅を物色し無施錠だった被害者宅に侵入したとされる行動について、検察側が昨年6月19日の取り調べで「(被告は)『あわよくばそこに住む女性と性的関係を持ちたいという気持ちがわずかながらあった』と供述した」と指摘したのに対し、加藤被告は「供述した時にそうした記憶があったわけではない。目の前にいた人(検事)に納得してもらいたくて推測で話した」などと述べた。

 被害者参加制度で遺族代理人として加藤被告に質問した弁護士が、核心部分に口をつぐむ加藤被告の態度を指弾したのに対し、加藤被告は「記憶に従い、真実と思うことを話すのが使命」と淡々と述べ、遺族は怒りをあらわにした。

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