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【一聞百見】大震災もコロナも…立ち続ける神戸のトップバーテンダー

「生涯現役」と話す木村義久さん=神戸市中央区の「SAVOY北野坂」(南雲都撮影)
「生涯現役」と話す木村義久さん=神戸市中央区の「SAVOY北野坂」(南雲都撮影)
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 カクテル「ソル・クバーノ」を知らない酒飲み、バー好きはいないのではないか。神戸・三宮のバー「SAVOY(サヴォイ)北野坂」のバーテンダー、木村義久さん(74)が考案したこのカクテルは、今や国内だけでなく海外のバーでも飲むことができる。カウンターに立って54年。平成7年の阪神大震災の際も、新型コロナウイルスが猛威をふるう今もカウンターに立ち続けている。混乱した時代にこそ「バーは必要」と説く木村さんに「大人の社交場」の魅力をたずねた。

(聞き手・社会部 土屋宏剛)

オヤジから教わった大切なこと

 木村さんが「天職」に出会ったのは大学1年の時。アルバイト先の先輩に連れられて入ったバーで、カクテル「マティーニ」を注文したのが初めてだった。「そこまでマティーニが強いお酒だと知らなかった。接客してくれたバーテンダーには『飲めますか』と心配されてしまいました」

 その不安げな表情をよそに、カウンターに置かれたグラスに目を奪われた。グラスの底にオリーブが沈み、少し白く濁ったマティーニは、口に含むと爽やかな香りと甘み、後に喉がひりつく強い酒精(しゅせい)を感じた。「カクテルが本当に美しいものだと感じた。バーテンダーという仕事が創造的な仕事だと、憧れました」

 その一杯で、すっかりバーのとりこになった。神戸・三宮界隈(かいわい)の有名なバーをめぐるうちに、「人生の師でありオヤジ」と慕う小林省三さん(故人)と出会った。自身もバーテンダーを志すようになり、昭和42年2月に小林さんが独立し、初代「SAVOY」を開業する際に一緒にカウンターに立った。「技術だけでなく、掃除や接客、礼儀作法まで人として大切なことは全てオヤジから教わりました」

(次ページは)つらい時こそ求められる仕事…

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