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【通崎好みつれづれ】自転車と木琴 つなぐ縁

通崎睦美さんのエッセー「天使突抜一丁目」。ブリヂストン製の古い実用自転車に乗る着物姿の通崎さんが表紙を飾る
通崎睦美さんのエッセー「天使突抜一丁目」。ブリヂストン製の古い実用自転車に乗る着物姿の通崎さんが表紙を飾る
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 うちには、現在3台の自転車がある。

 まず、30年ほど前に入手した赤い自転車。1970年代、マウンテンバイクの父と言われるゲイリー・フィッシャーが設立したゲイリー・フィッシャー社のもの。次に、父が使っていた古いブリヂストンの実用車。こちらはそれより古い。アンティーク着物を着始めた頃、武骨な黒いフレームが古い着物に似合うので愛用していた。初めてのエッセー『天使突抜一丁目~着物と自転車と』(淡交社)の表紙に写真が載り、自転車雑誌の取材を受けるなど、思いがけず話題になった。3台目は、つい最近買い替えた普段使いのいわゆるママチャリ。こちらもブリヂストン製だ。

 実は、木琴奏者である私にとって、ブリヂストンはちょっとしたご縁がある。

 ブリヂストンの創業者・石橋正二郎は戦前、自社製品梱包用木箱を調達するため、自身が所有していた栃木県那須塩原市の山林を開発・管理する日本木材興業株式会社を設立した。社長に就任したのは、石橋の妹の夫・宮川武。しかし、いざ山の測量をしてみると木箱に適する針葉樹が少なく、良質な広葉樹の原生林だった。

 同社は木箱を諦め、床材を主力商品としたが、原生林の開拓から始める過酷な労働作業でコストに見合う商売には発展しない。そこで、ほかでは本格的に作っていない、加工度が高く緻密な技術を要求される木工製品を開発し、独占的な需要を目指そうと戦略を立てる。そうして白羽の矢を立てたのが、木琴であった。

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