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市民の足を守るはずのバス路線再編で乱れる足元

路線バス網の再編計画について、大森雅夫・岡山市長(左から2人目)に申し入れを行うバス業者ら=11月9日、岡山市役所
路線バス網の再編計画について、大森雅夫・岡山市長(左から2人目)に申し入れを行うバス業者ら=11月9日、岡山市役所
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 全国の地方都市で再編が進むバス路線。地域住民の足を守るものとして円滑な計画推進が求められるが、利用者減や採算悪化などの状況下でもあり、やり方を間違えれば再編自体がおぼつかなくなる。岡山市はその一つ。新規参入した業者をめぐり訴訟沙汰になったかと思えば、その路線を含む再編案でも、市は既存業者から「テーブルにつかない」などと反発を受けており、一筋縄でいかない再編の難しさを浮き彫りにしている。

「紛争路線」を再編も…

 10月12日に開かれた岡山市の公共交通網に関する法定協議会。ここで市が提示した案が波紋を広げた。JR岡山駅から東方向の市街地に伸び、集客の多い“ドル箱”路線「益野(ますの)線」の廃止を含めた市内の重複路線の整理、改編案だ。

 廃止が示された益野線は、そもそも紛争の火種となっていた。市内でタクシーなどを運行する八晃運輸(岡山市)が平成30年4月に格安料金で参入。ほぼ同じルートで走る両備バス(同市)が長年、このルートの黒字で過疎地域の赤字を補ってきており、新規参入に反発した両備グループ(同市)は昨年、八晃に対する国の認可の取り消しを求めて訴訟を起こした。

 1、2審で敗訴した原告側は上告中だが、こうした中、益野線の廃止案が示されたのだ。両備グループの小嶋光信代表は「今まで大変厳しい思いをしてきたこともあり、非常に驚いている」とコメントした。

「不信任を出す」

 だが、これで話は終わらなかった。市の案では益野線が廃止となる八晃について、同社の要望をいれる形で、新たにJR岡山駅東口に乗り入れ、北部の国立病院行きを含めた新ルートに参入することが盛り込まれた。

 国立病院のルートは別の2社がすでに運行していたこともあり、既存の運行事業者は反発。「路線再編は拙速にならないように。当事者同士で協議する必要がある」。11月9日、八晃を除く路線バス会社8社の代表らが大森雅夫市長に対し、案から八晃の新規ルート参入を削除するよう申し入れた。

 こうしたゴタゴタには、市側と事業者側の意思疎通が欠けている様子が透けてみえる。市の案には、市中心部の初乗り運賃の値上げが含まれ、計画の実施で各社全体で年間4億2800万円の増収効果があると試算したが、8社は試算を「需要の前提が不明確」と一蹴した。

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