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【マッキーの動物園日記】 放射状に配置された獣舎、世界最古の威厳

 現存する世界最古の動物園を知っていますか-。

 「動物園マニア」の目線で動物園経営を進めている牧慎一郎園長が心躍らせる、伝統の動物園について語ります。平成27年4月から産経新聞で掲載している動物園日記から選りすぐりをお届けします。

 私が中央官庁に勤めていたときに、オーストリアのウィーンに出張で行く機会が何度かありました。動物園マニアである私としては、ウィーンと聞くと心躍ります。なぜかというと、現存する動物園としては世界最古のシェーンブルン動物園があるから。

18世紀当時の施設が残されている「シェーンブルン動物園」。この施設は今はカフェとして利用されている
18世紀当時の施設が残されている「シェーンブルン動物園」。この施設は今はカフェとして利用されている

 ウィーンの中心市街から南西の郊外に行ったところに、ハプスブルク家の離宮であったシェーンブルン宮殿があり、その庭園部分に動物園が設置されています。

 時は、女帝とも呼ばれたマリア・テレジア治世下のウィーン。1752年、マリア・テレジアの夫である神聖ローマ皇帝・フランツ一世が宮殿内に創立したのがこの動物園。フランツ一世は、当時最先端科学である博物学に強い関心をもっていて、世界の博物の収集に励んだそうです。

 素晴らしいコレクションを誇る現在のウィーン自然史博物館もフランツ一世のコレクションがベースになっています。動物園については、単に珍しい動物を集めるだけでなく、分類なども行って博物学的な視点でも捉えられていたようです。

 さて、出張の用務が終わった空き時間を利用して、シェーンブルン動物園を訪問することもできました。実に美しい動物園です。重厚な昔の建物を生かした施設も多く、歴史を感じさせます。

 王侯貴族の動物園では、獣舎を放射状に配置して、その中心から観覧できる施設を作るのがはやっていたようで、シェーンブルンにもその構造の場所があります。あっ、ここは動物園の歴史書で見たことがある!ちょっと感動。ここからの眺めを見た皇帝は、世界をこの手に収めたような気持ちになったことでしょう。

 歴史ある動物園をみるたびに、もっと歴史や文化を学ばなきゃと思います。教養ある動物園マニアを目指そう。 (天王寺動物園長兼改革担当部長 牧慎一郎、平成29年3月1日付朝刊から)

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