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中国、北朝鮮を個別担当課に 警視庁外事課が19年ぶり組織改編のワケ

 外国のスパイ活動や不正輸出などを取り締まる警視庁公安部の「外事課」が来年度、現状の3課体制から4課体制へ改編される見通しとなった。中国、北朝鮮など東アジア関連の動向把握を一手に担ってきた外事2課の業務から北朝鮮を分離。個別に担当課を設け、北朝鮮、中国それぞれの対応を強化するのが狙いだ。背景には両国の「脅威」に対する厳しい認識がある。

リスク、待ったなし

 「数年前から持ち上がっていた構想だ。両国へのリスク対処が『待ったなし』の認識となり、実現に加速がついた」。警察関係者は組織改編の経緯を明かす。

 警視庁の外事課は主にロシアが対象の「外事1課」、中国と北朝鮮を中心にベトナムやミャンマーなどを含めた東アジアが対象の「外事2課」、イスラム過激派などの国際テロを担当する「外事3課」からなる。それぞれ、機密を狙うスパイや不正輸出、テロ活動などに目を配っている。

 組織改編では、外事2課の分掌から北朝鮮を分離・独立させる。警察関係者によると、新外事2課は中国と東アジア諸国を、新外事3課が北朝鮮を含む朝鮮半島を担うという。人員はともに増員される見込みで、警察関係者は「対中、対北、双方の情報収集能力の向上が期待される」と強調する。

 現外事3課の業務は新設される「外事4課」が引き継ぐ。同庁は、具体的な予算などについて東京都をはじめ関係機関と調整しており、新年度が始まる令和3年4月をめどに、新体制が発足する見込みだ。

工作活発化に懸念

 中国は2017(平成29)年、国内機関や市民に情報活動への支援・協力を義務付けた「国家情報法」を施行。国内外の工作活動に法的根拠を与えたもので、中国によるヒューマン・インテリジェンス(人による諜報活動)は活発化の一途とされる。

 大阪府警は今年10月、自社の営業秘密にあたるスマートフォン関連の技術情報を中国企業に漏洩(ろうえい)したとして、不正競争防止法違反容疑で積水化学工業(大阪市北区)の男性元社員=懲戒解雇=を書類送検した。

 漏洩先は、中国・広東省の通信機器部品メーカー「潮州三環グループ」の社員だった。元社員がスマホなどに利用される電子材料の研究をしていることをSNSで把握し、ヘッドハンティングを装って中国に招くなど関係を深めたという。

 北朝鮮の動きにも懸念は募る。2018(平成30)年の史上初の米朝首脳会談を経て進展が見込まれた核・ミサイル問題は停滞。日本人拉致問題も膠(こう)着(ちゃく)している。今年10月の朝鮮労働党創建75周年の軍事パレードでは金正恩党委員長出席のもと、米国全土を射程に収めるとされる巨大な新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)を披露するなど、軍事力を前面に国際社会を威圧する瀬戸際外交に傾いている。

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