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【アフリカウオッチ】アフリカしぼむ民主主義 任期帳消し、強権化…「中露モデル」拡大

 アフリカ各国で憲法改正を理由に、大統領が「過去の任期はリセットされた」と主張して延命を図るケースが相次いでいる。かつて大陸に広がった政治改革の機運はしぼみ、独自の解釈でルールを変更する強権指導者が増えている。この傾向が続けば汚職や反体制派の弾圧などが拡大する公算が大きい。世界では昨年、民主主義の国が約20年ぶりに少数派に転じたとの調査結果もあり、「強権化」は国際的な潮流となりつつある。(中東支局 佐藤貴生)

改憲は隠れみの

 西アフリカ・コートジボワールで10月31日に行われた大統領選には、2011年に就任して3期目を目指すワタラ大統領(78)が出馬した。ロイター通信は11月3日、同氏が9割以上を得票、勝利するとの暫定結果を伝えた。

 同国の憲法には大統領任期は2期までという規定が残っている。ワタラ氏は当初、後継者を指名して出馬しない意向を示していた。が、この夏に後継者が急死すると一転して出馬に動いた。「(自らの任期中の)16年に新憲法が承認されたため、過去の任期はリセットされた」とし、問題はないとしている。

 他候補は同氏の出馬は憲法違反だと批判しており、与野党の支持者の対立などで少なくとも40人が死亡した。10年の大統領選の後もワタラ氏と前大統領の陣営の対立が深刻化し、武装組織の介入などもあり3千人が死亡したとされる。

 「任期リセット」を主張するアフリカの指導者はほかにもいる。

 西アフリカ・ギニアで10月18日に実施された大統領選では、2期務めた現職のコンデ大統領(82)が約60%を得票、勝利を決めた。野党支持者と治安部隊が衝突し、少なくとも17人が死亡した。憲法の規定では大統領任期は2期まで。だが、コンデ氏は「3月に国民投票が行われて憲法が改正されたため、過去の任期は帳消しになった」との見解だ。

 一方、アフリカ中部のウガンダでは「大統領は75歳以下でなくてはならない」という年齢制限の規定が撤廃された。34年間、権力を維持するムセベニ大統領が76歳となったためだ。

 与党は21年2月に予定される大統領選に向けて同氏の擁立を決定。ウガンダでは新型コロナウイルス感染阻止の名目で政治的デモが禁止されており、野党側に不利な状況が続いている。

中露など大国も

 米政府系のシンクタンク「アフリカセンター」によると、アフリカの場合は1990年代、政治権力の分散を図る改革の一環として大統領任期を制限する機運が広がった。しかし、2015年以降は揺り戻しが顕著になり、アフリカ全54カ国のうち前記の3カ国を含む13カ国で任期延長の動きが出ている。これらの国の大半で紛争が起き、汚職も深刻だといわれる。

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