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障害のある19歳看板娘が八百屋の移動販売で地域貢献

人懐こい笑顔で客をひきつける野草真菜さん=兵庫県西宮市
人懐こい笑顔で客をひきつける野草真菜さん=兵庫県西宮市

 発達障害のある兵庫県西宮市在住の野草真菜さん(19)が店長を務める青果物移動販売「まなちゃんの八百屋さん」が、地域に笑顔と元気を届けている。昨年10月に店を始めたばかりのころは接客もままならなかったが、1年たった今では商品の説明、勘定までこなせるまでに成長。明るくて人懐こい真菜さんとのやりとりを楽しみに通う常連客も増え、街の人気者になっている。(古野英明)

「会うのが楽しみで」

 「いらっしゃい、いらっしゃい」

 平日の夕方、同市笠屋町にある商店街。母、美千代さん(53)が運営する児童デイサービス「もえりのハウス」前で開いている露店で、真菜さんは軽快な音楽に合わせてダンスをしながら大声を張り上げていた。

 客が足を止めると、「きょうはナスが安いですよ」とお買い得品をしっかりとPR。「じゃあナスとダイコン、それと…」という注文に従い、買い物カゴに商品を入れていき、袋詰めをする。電卓で計算し、「920円です!」。千円札を差し出す客に「あと、バナナはいかがですか。タイムセールで80円。千円ぴったりですよ」と笑顔で迫る。かなりの商売上手だ。

 夕刻とあってひっきりなしに訪れる客の中には高齢者の姿が目立つ。近所に住む70代の女性は「真菜ちゃんに会うのが楽しみで。いつも笑顔でいてくれるのでこっちも元気になります」と話す。

高かった就職のハードル

 真菜さんは、生後まもなく医師から発達の遅れを指摘された。

 「幼いころは外に出たら急に走り出したり、スーパーで陳列棚の商品をぶちまけたり…。言葉は理解できても衝動を抑えられず、とっぴな行動をしてしまう。少しもそばを離れることができませんでした」

 それでも、美千代さんは「普通に育てる」と決意。平成15年には、ハンディのある子供を持つ親のサークルを立ち上げ、親同士、子供同士、そして親子同士が「共に学ぶ」ことを方針に子供の教育法を探った。

 美千代さんの強い信念のもと、真菜さんは、地元の小中学校では通常クラスで学び、高校は大阪市内の専修学校に電車を利用して一人で通った。「ジャガイモの皮をむいたり、タブレット端末の操作も覚えたりと、自分の好きなことはできるようになっていた」という。

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