PR

ニュース プレミアム

眼鏡産地・鯖江が誇る腕時計「指が不自由でも簡単装着」

バングルウォッチの装着部分。眼鏡フレームの技術を生かして誕生した=10月、福井県鯖江市のサンユー
バングルウォッチの装着部分。眼鏡フレームの技術を生かして誕生した=10月、福井県鯖江市のサンユー
その他の写真を見る(1/4枚)

 「腕時計が好きなのに、指が不自由だから一人でつけられない」。こんな声をきっかけに、片手で装着できる腕時計が誕生した。眼鏡の世界的産地、福井・鯖江の漆器製造販売「サンユー」が製造、販売する「バングルウォッチ」。眼鏡を耳にかけるように、腕時計を装着できないか-。こうした発想から、鯖江が誇る眼鏡フレームの製造技術を盛り込み、開発にこぎつけた。

展示会の一言

 昭和57年創業のサンユーは、伝統工芸の越前漆器の工程のなかで漆を塗る作業を担ってきた会社。その中で2代目社長の五十嵐一男さん(52)は、漆の技術が目に触れる機会を増やしたいと文字盤に漆を用いた腕時計を手がけてきた。

 その腕時計をアピールするため、5年ほど前に展示即売会に出展したときのことだった。来客者の一人にこんな声をかけられたという。

 「指が不自由で、腕時計が好きなのに、革ベルトだと一人でつけられない。簡単につけられるようにならないか」

 この一言が心に留まった五十嵐さん。かねて地元の技術を腕時計に取り込みたいと思っていたこともあり、「顔にかけるのは眼鏡。眼鏡の技術で、腕にかけられないか」と考え、地元の福井県鯖江市が誇る眼鏡フレームの製造技術を活用することを思い立った。

 同市の眼鏡フレームメーカー「プラスジャック」の協力を得て、さっそく開発に乗り出した。

ものづくりの原点

 形状はすぐに決まった。ブレスレットの一種で、留め具のない「バングル」。金属製や樹脂製で、隙間を腕に押し付けると、隙間が広がり装着できる。このバングルに時計を取り付けるイメージだ。

 とはいえ製品化は簡単ではない。素材を決めたものの取り外ししやすい構造に落とし込むことができなかったためで、試作を何度も繰り返したが「1年やってもダメだった」(五十嵐さん)。

 断念することも頭をよぎったが「徹底的にやろう」と奮起。バネの役割を果たし着け心地を左右するチタンプレートの厚さを、窮屈ではなく、腕を振っても外れないという最適な0・6ミリにたどり着き、平成29年に完成した。

 客の一言をきっかけに商品が誕生したが、五十嵐さんは「困り事を解決するというのが、ものづくりの原点。大きなきっかけを与えてもらった」と話す。「イガッタコレッティ」のブランド名で30年3月から販売を開始。価格は税込み3万800円からで、デザイン、女性向けサイズなどバリエーションを増やしながら、インターネット通販、東京や福井県内の土産店と販路を広げてきた。

故郷への思いも込めて

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ