PR

ニュース プレミアム

電動キックボード、活用拡大へ実証実験 ウィズコロナで活躍期待も安全性担保が課題

自転車走行帯などで行われている電動キックボードの実証実験=10月27日、東京都千代田区丸の内(吉沢智美撮影)
自転車走行帯などで行われている電動キックボードの実証実験=10月27日、東京都千代田区丸の内(吉沢智美撮影)

 世界的に愛用者が広がっている電動キックボードの普及や利用につなげようと、国などが東京都心を中心に実証実験を始めた。法律上、原付きバイクとして取り扱われている規制の一部を緩和する試み。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、公共交通機関の「3密」を抑制する有力な移動手段として期待を寄せられているが、安全性をいかに担保するかという課題も残る。(吉沢智美)

乗り心地に太鼓判

 「めちゃくちゃ便利ですね」

 10月27日、好天のもと、東京都千代田区で始まった実証実験。参加した都内の男性(26)は、笑顔で感想を語った。

 キックボードは、車輪がついたハンドル付きの細長い台に片足を乗せ、もう片方の足で地面を蹴って進むのが基本的な仕組みだ。このうち電動タイプは、ハンドルに取り付けられたアクセルとブレーキで速度の調整が可能。国内では2輪タイプが多く、量販店や通販などで購入でき、中には乗用車並みのスピードをだせる機種もある。

 実験は、レンタルサービスのキックボードで自転車通行帯などを走行する試み。ヘルメットを装着した参加者らは、片足で地面を蹴って勢いをつけると、ボードに乗ってスイスイと走り出していった。

 実験では、最高速度を時速20キロに設定。電動アシスト付き自転車よりも、少し遅い程度のスピード感だ。

 フリーランスで企業広告を請け負っているという冒頭の男性は、「電車に乗るには微妙な距離のクライアント先などに向かうのに便利。新型コロナの感染リスクも気にせずに済む」と話し、乗り心地についても「自転車で速度を出そうとすると疲れるし、危ないが、電動キックボードは安定しているし疲れない」と太鼓判を押した。

法規制は「模索中」

 電動キックボードは、日本の公道では道路交通法での原付きバイクと同じ扱いになる。警察庁の通知に基づき、走行には運転免許証が必要。ヘルメットの着用やナンバープレート、サイドミラーなどの装着も必要だ。

 原則として走行できるのは車道だけだが、警視庁によると、条件を満たさずに歩道などを電動キックボードで走行するケースが最近増えているという。

 電動キックボードは手軽な移動手段として欧米で普及し規制緩和も進んだが、歩道の走行や路上駐車が問題化。走行は自転車専用道を原則とし、専用道がなければ車道を走るよう定めるなど、規制強化の動きも出始めている。

 ただ、規制緩和を進めていたフランスが規制を強める方向に転換した一方、ドイツでは免許を不要とする緩和策を逆に検討するなどしており、各国で足並みがそろっているとはいいがたい。個々の事情に応じて適正なルールを模索しているのが現状だ。

規制緩和と安全性両立へ

 こうした中、日本でもルール作りが本格化し始めている。今回の実証実験では、新技術・サービスの事業化に際して各種法規制を地域・期間限定で一時的に緩和する国の「規制のサンドボックス(砂場)制度」を活用、さまざまなケースを検証する方針だ。

 国内の電動キックボード事業者などでつくる「マイクロモビリティ推進協議会」は、電動キックボードの走行性能が、原付きバイクより低い点などを指摘。「ブレーキの力が強すぎると転倒する危険性もある」などとし、車体に求める性能も含め、規制緩和を行う必要性があるとする。

 実証実験には、電動キックボードに関わる事業を展開するLuup(東京都)、EXx(同)、mobby ride(福岡県)の3社が参加。東京都千代田区▽新宿区▽世田谷区▽渋谷区▽神奈川県藤沢市▽千葉県柏市▽福岡市▽広島県尾道市▽愛媛県今治市▽神戸市-と、幅広いエリアで来年3月末まで実験を行う。

 10月27日から東京都千代田区で実証実験を開始したLuupは、専用アプリを使って合計100台程度のレンタルキックボードを運用。1台あたり、月3000円で提供する。

 同協議会は、電動キックボードが活用される場面をさらに拡大し、都心や観光地で広がる自転車のシェアサイクリングと同じような運用を実現させたい考え。担当者は「規制緩和と安全性の両立へ試行錯誤を重ねる」としている。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ