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【熊木徹夫の人生相談】銭湯での嫌がらせ やめてもらうには

イラスト・千葉真
イラスト・千葉真

相談

 70代の女性。いつも行く銭湯で出会う60代くらいの女性の言動に困っています。その人は私を見ると「あの女はバカだ、バカだ」と悪口を周囲に言いふらします。銭湯に行くのは3日に1度ですが、会うと必ず私に聞こえるように悪口を言います。もう5年くらい続いています。

 私はその人と何の関係もなく、どこに住んでいるのかも知らないし、話したこともありません。なぜそんなことを言われないといけないのか、まったく訳が分かりません。

 私は脚が悪いため、遠くの銭湯には行けません。巡回で家を訪ねてきた警察官に相談したら「相手にするな」と助言されましたが、そもそも一方的に言われているだけ。今まで我慢してきましたがノイローゼになりそうです。何かいいヒントがあれば教えてください。

回答

 あなたのいわれる通り、「こちらが相手に対し何か不快なことや悪いことをした場合に限り、相手から嫌な思いをさせられるはず」と考えるのが当たり前です。しかし、あなたはそのような事実に思い当たらない。これまでその相手と何の関わりももったことがないのに、突然罵倒されだし、それが延々5年間も続いている。これは理不尽極まりなく、果ては恐怖を覚えるようなことでしょう。では、この相手はどのような人物か。また、どう対処すべきか。考えてみようと思います。

 おそらく彼女は最初、あなたが気づかないうちに、一方的にあなたを凝視していた。そして、あなたの立ち居振る舞いに勝手に意味を嗅ぎ取ったのでしょう。その意味とは、彼女への不満・嘲(あざけ)りといったものです。つまるところあなたが悪者であるとの確信に至り、そこからあなたへの敵意・怒りを醸成し、あなたへの罵倒を繰り返すようになった。ここには、彼女の揺るぎない“正義”が基底にあるので、その言動が容易に覆ることはない。また、そもそもあなたとの意思疎通困難に由来するものではないので、あなたがどのように関わればそれが改まるか見当がつかない。すなわち、もはやこうなってしまっては、有効な対策を採りようがない。

 もしあなたの脚が悪くなければ、別の銭湯に通うことをお勧めしたいところですが、そうもいかない。この状況はとても辛いものとはお察ししますが、私も先の警察官と同様、「相手にするな」というしかない。「相手もヒトなんだから情緒が通っているはず。言動に意味があるはず」と思うと腹立たしくなる。彼女は「あなたが通りかかると必ず無条件に吠(ほ)えてくる犬みたいなもの」と見なしてはどうでしょう。少しはあなたの怒りが緩和されることを期待します。

回答者

熊木徹夫 精神科医。昭和44年生まれ。「あいち熊木クリニック」院長。著書に「自己愛危機サバイバル」「ギャンブル依存症サバイバル」(ともに中外医学社)、「精神科医になる~患者を〈わかる〉ということ~」(中公新書)など。

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 住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記のうえ、相談内容を詳しく書いて、〒100-8078 産経新聞「人生相談 あすへのヒント」係まで。

 〈メール〉life@sankei.co.jp

 〈FAX〉03・3270・2424

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