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減量も禁止を迫られたボクシングで今できること

距離を開けて3人だけで練習する関学ボクシング部=関西学院大 
距離を開けて3人だけで練習する関学ボクシング部=関西学院大 
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 国内外の社会や経済、生活に大きな変容を強いた新型コロナウイルス禍はもちろんスポーツの世界にも大きな影響をもたらした。試合や大会そのものの中止に始まり、無観客での開催から収容定員の拡大と、国内では段階的に制限が緩和されてきたスポーツもあるが、中には根本の部分で見直しを迫られる競技も。その一つ、「密」を生む対人練習から切り離すことのできないボクシングの現状を追った。

沈黙のリング

 10月中旬、関西学院大(兵庫県西宮市)の学生会館内にあるリング上では、ボクシング部員が黙々と拳を繰り出していた。濃厚接触を避けるためスパーリングはまだ禁じられており、目の前に相手はいない。

 同大は関西学生ボクシングリーグの1部に所属する強豪。20人の部員を抱えるが、一度に練習できるのは大学のガイドラインで定められた3人まで。閑散とした練習場で、ひたすらシャドーボクシングに打ち込んだ中井隆人選手は「パンチの感覚を忘れそうです」と苦笑した。

 部員を鼓舞する掛け声は禁止。マスクを着用してのミット打ちやサンドバッグの連打でも、雄たけびを上げるのはNGだ。バンバン、ボスッ…と広い室内にはただ打撃音だけが響いていた。

無理な減量も…

 《感染症に対する抵抗力を低下させる恐れがあるため、負担の大きい無理な減量は行わない》

 日本ボクシング連盟が8月に出したガイドラインにはこんな記載がある。

 階級制のボクシングにおいて、基準体重をクリアするための減量は競技そのものではないとしても、“戦いの序章”といえる。

 食事制限に始まり、やがて水分さえも抜いて体を絞り切るが、トレーニングとの両立でただでさえ一時的に不調をきたす選手が多い。コロナ禍においては感染リスクを高める行為に他ならず、無理な減量が禁止されるのもやむを得ないといえる。

 対処法はといえば、減量の期間を長くするくらいしかない。通常なら試合の数週間前から始める減量をやめ、何カ月も前から食生活を変えることで、徐々に体重を減らしていく。関学大の別の部員は「コロナ以降、食事の誘いを断り続けています」と明かす。コロナで変容した競技のあり方に対応するために、選手のプライベートもまた変化を余儀なくされている。

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