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【粂博之の経済ノート】動き出す「核のごみ」処分場計画 先行するカナダに学べ

放射性廃棄物を運搬、保管する金属容器「キャスク」をとらえたサーモグラフィーカメラの画像。熱が無くなるまで長期間を要する=ドイツ・ダンネンベルク(ロイター)
放射性廃棄物を運搬、保管する金属容器「キャスク」をとらえたサーモグラフィーカメラの画像。熱が無くなるまで長期間を要する=ドイツ・ダンネンベルク(ロイター)

 原発から出る高レベル放射性廃棄物「核のごみ」をどこに埋めるか-。長らく進展のなかった最終処分場の建設計画だが、北海道寿都(すっつ)町と同神恵内(かもえない)村がそれぞれ候補地としての調査に応じると名乗りをあげ、ようやく動き出した。今後、調査と同じかそれ以上に重要になるのが関係者の話し合い。先行するカナダが実践する「熟議民主主義」が参考になりそうだ。

地元の範囲は

 「人口減少や財政的課題を踏まえ、解決手段として」手を挙げたと寿都町は説明した。受け入れるのは、地質などが最終処分場に適しているかどうか過去の記録で分析する「文献調査」。計画の実施主体である原子力発電環境整備機構(NUMO)が年内にも始める見通しだ。

 これにより、同町には2年間で最大20億円、国からの交付金が入ることになる。その後ボーリングなどで地質を調べる「概要調査」に進めば、最大70億円の交付金が得られる。神恵内村も同様だ。

 ただ、核のごみは受け入れがたいとする条例のある北海道の鈴木直道知事は「巨額の交付金を前面に出し、合意形成を図ろうとする印象」があると国を批判。周辺自治体も懸念を示す。

 そんな中、同町の片岡春雄町長は共同通信の取材に対し、調査受け入れについて「地元以外からの反対に耳を貸すつもりはない」。日本記者クラブでの記者会見では「住民の過半数以上からは賛成をいただいていると肌で感じている」と述べ、その感覚は「間違っていない」と主張した。

 しかし、計画が進展すれば「地元」は同町だけではなくなる。NUMOは町民らと文献調査の内容を共有し地域振興策なども話し合うが、概要調査に進むには同町だけでなく知事の同意も必要となるからだ。

 地下水脈や山林の生態系に行政区画は関係ないし、核のごみは主に海上輸送されることを考えると、関係する地域は広い。話し合いの進め方で参考になりそうなのが、日本の少し先を行くカナダだ。

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