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【酒の蔵探訪】田中屋酒造店(長野県飯山市)「当たり前」の意識大切に 奥信濃の「水尾」醸造元

田中屋酒造店の創業は明治6年に遡る。醸造する「水尾」は、奥信濃の良酒として広く認知されるようになった(同酒造店提供)
田中屋酒造店の創業は明治6年に遡る。醸造する「水尾」は、奥信濃の良酒として広く認知されるようになった(同酒造店提供)
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 よい水を使い、よい酒米を使い、基本に忠実なよい造りをする-。日本酒造りに携わる人たちの高い意識がもたらす「当たり前さ」が、いわく言い難い「水尾」の魅力を引き出すのである。

 東京都内でシステムエンジニアとして働いていた田中隆太社長が、故郷の長野県飯山市に戻り日本酒造りに乗りかかったのは平成2年。「消費者の『日本酒離れ』は深刻な状況だった」と振り返る。

 創業は明治6年に遡(さかのぼ)る。甲斐武田氏の末裔(まつえい)に当たる武田貢一氏が田中家に養子に入り、日本酒造りに着手した。それ以降、地元の祭りなどで日本酒を振る舞うなど「『地域の価値』として存続してきた」(田中社長)。

 そうした伝統のある酒蔵をたたむわけにはいかない。それには、良酒を造らなければならない。そこで、飯山市も含まれる長野県最北部に当たる奥信濃の水源を訪ね歩き、「いい水」を探し求めた。噂や人からの紹介を頼りに5、6カ所を巡った。たどりついたのは、野沢温泉村にそびえる水尾山から湧き出る天然水だった。

 田中社長は「口当たりは柔らかく甘い水です。『後切れのよい味わい』なんです」と水質には太鼓判を押す。1回で1・5トンの水量を年間で150回くらい、トラックで運搬している。

水尾山で湧き出た天然水と麹、蒸米とを櫂棒でかき混ぜる蔵人。「櫂入れ」と呼ばれる冬場の作業だ(田中屋酒造店提供)
水尾山で湧き出た天然水と麹、蒸米とを櫂棒でかき混ぜる蔵人。「櫂入れ」と呼ばれる冬場の作業だ(田中屋酒造店提供)
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 原料米も、長野県産の酒造好適米である「ひとごこち」を使っていて、香り深く、味わいに深みが出る酒になる。大吟醸などの上位酒には「金紋錦(きんもんにしき)」を用い、より深みを増すよう仕込んでいる。

 水尾は4年に売り出した。だが、良酒として認知されるまで「10年以上かかった」(田中社長)。水尾という銘柄には奥信濃の地域性が込められている。

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