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【柴門ふみの人生相談】加齢で弱腰に ふがいない

イラスト・千葉真
イラスト・千葉真

相談

 50代男性。年齢とともに自分の意思が貫けなくなってきています。人と闘うことを避けてしまっているような自分に腹立たしさを感じています。例えば職場での人間関係です。自分の意思を通そうとすると反論され、場の空気や声が大きい人の意見に流されがちです。

 若い頃は周りからどう言われようと自分の意思、やりたいことは明確に伝えて人とぶつかってきました。それが年齢とともに妥協するように。人を怒らせたくない、ぶつかりたくない、闘いたくない気持ちが自分の中にあるように思います。

 年をとっても型破りで自分らしい生き方をしている人に憧れ、自分もそうありたいと思いますが、行動が伴いません。

 人間は年を取ると丸くなる。これは仕方のないことなのでしょうか?

回答

 相談者の方は「年をとっても型破りで自分らしい生き方をしている人に憧れ」とありますが、80歳、90歳になっても型破りであり続けている人がいったいどのくらいいるでしょう。型破りを続けていても、誰しも必ず年齢による壁にぶつかるときがくると思います。

 人は必ず老いてゆきます。その老いに向かって肉体を動かすエネルギーが徐々に減少してゆくのは、自然の摂理です。人とぶつかってもなお自分の意思を通すには、かなりのエネルギーが必要です。仮にもし人が一生に使えるエネルギーが決まっているとして、瞬発的に大きなエネルギーを使ってしまうと残りが少なくなってしまい、その分寿命が縮まる。だから、それなら少ないエネルギーで細々長生きしていきましょうよ、と体が訴えているのだ。そんなふうに捉えてみてはいかがでしょうか?

 人間が年を取ると丸くなる、とはつまりそういうことではないかと、私は思っています。残されたエネルギーを逆算しながら、無駄なことにエネルギーを浪費せず細々と長く生きてゆく。

 理想を抱くことは素晴らしいことだと思います。けれどある時期からは、精神よりも肉体の声を聞くことの方が重要になってきます。精神は肉体に支配されているといっても過言ではありません。こうありたいと思っても体が裏切る、のではなく体が「それは危険です」とサインを送っているのですよ。体の声に素直に耳を傾けることが、年を重ねるにつれますます重要になってきます。徳川家康も「堪忍は無事長久の基。いかりは敵と思え」と言っています。

 人と争わず流れに任せる自分に出会ったら「長生きしろよと、体がサインを送っているんだな」と感謝すればよいのではないでしょうか。

回答者

柴門ふみ 漫画家。昭和32年生まれ。代表作は講談社漫画賞の「P.S.元気です、俊平」(講談社)のほか、「東京ラブストーリー」(小学館)など。故郷の徳島市観光大使も務める。最新作「恋する母たち」がドラマ化され、23日からTBS系列で放送される。

相談をお寄せください

 住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記のうえ、相談内容を詳しく書いて、〒100-8078 産経新聞「人生相談 あすへのヒント」係まで。

 〈メール〉life@sankei.co.jp

 〈FAX〉03・3270・2424

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