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養子は不幸じゃない…河瀬直美監督が新作映画に込めた経験

 もう一つ注目してほしいのが生みの母の存在だ。映画では14歳での望まぬ妊娠に戸惑い、苦悩する女性の悲しみに焦点もあてた。河瀬監督は「養子縁組をした後の実母の人生は本当に闇の中。そうさせてしまう社会のあり方にも問題があるのではないか」と指摘する。

 そのうえで、映画を見た人たちに「私たち大人は子供たちが幸せになれる未来をつくっていかないといけない。声をかけるだとか陰りのある姿に気が付くだとか、少し想像力を働かせるだけでずいぶん変わると思う」と呼びかける。

養親と養子は普通の親子

 特別養子縁組は、さまざまな事情により、実の親による養育が難しい子供を救済する制度として昭和63年に導入された。一般的に知られる普通養子縁組と異なり、法的に生みの親との関係はなくなり、養親が実の親となる仕組みだ。

 主に特別養子縁組を斡旋するNPO法人「Babyぽけっと」(茨城県土浦市)の岡田卓子代表(61)は「養子は普通の親子関係と変わらないと知ってもらいたい」と話す。

 毎年約50人の乳児を養親のもとに送り出している同法人だが、縁組は同法人が決め、養親は性別や容姿、病気や障害で受け入れる子供を選別できない。また、養子であると子供に告げる「真実告知」も紹介の条件にしている。覚悟のうえで新しい家族を持とうとする養親だからこそ、強い親子の絆を築けると岡田さんは話す。

 今年4月の民法改正で、対象となる子供の年齢が原則6歳未満から15歳未満に引き上げられるなど条件が緩和。令和元年度の特別養子縁組の成立件数は711件だが、政府は年間千件の成立を目標としている。

 とはいえ、養子縁組制度が世間に周知されているとは言い難い。岡田さんは、その背景について「かわいそうというイメージがあり、隠すものという意識がある」と指摘。「日本では血のつながりを重視するためか、生みの親が子供を育てるのが、幸せなことだと考える人も多い」と分析する。

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