PR

ニュース プレミアム

養子は不幸じゃない…河瀬直美監督が新作映画に込めた経験

新作映画「朝が来る」について語る河瀬直美監督=奈良市
新作映画「朝が来る」について語る河瀬直美監督=奈良市
その他の写真を見る(1/3枚)

 養子をもらい、法的に実の子と同じ親子関係を結ぶ「特別養子縁組」。子供を育む大切な制度だが、あまり浸透していないのが現状だ。「養子なんてかわいそう」といったネガティブなイメージが背景にあるとみられるが、そんな特別養子縁組にスポットをあてた新作映画「朝が来る」が23日から全国で公開された。メガホンをとった河瀬直美監督(51)自身、大伯母夫婦の養子。「養子は幸せなものというイメージを持ってもらいたい」と話すように、映画には監督の経験からくる思いが込められている。(桑島浩任)

作品は「自分ごと」

 「朝が来る」は、直木賞作家の辻村深月さん原作のヒューマンミステリー。不妊治療後に特別養子縁組を選択した夫婦に、子供の生みの親を名乗る女性から「子供を返してほしいんです」と電話がかかってくることから物語が展開していく。

 「私自身が養子なので、これまで家族のつながりに目を向けてきた。今回の作品は『自分ごと』のような思いがあった」。そう話す河瀬監督は、生まれて間もなく大伯母夫婦のもとに預けられ、小学4年生のときに養子となった。

 幸せだったと感じているが、幼いころ、自分の枕元で養父が実母に「この子はかわいそうな子だ。実の両親に育てられていないんだから」と諭すように話すのを聞いたことがあるという。養子に対する世間の意識と自分の思いの乖離(かいり)を感じる出来事だったと振り返る。

 「私は養親(ようしん)(やしない親)のもとで守られている感覚や愛情を感じてきたが、日本には養子はかわいそうという意識がある。でも血のつながりだけが家族じゃない」

 そんな河瀬監督の思いは、映画の至る所に込められている。劇中で夫婦が養子縁組斡旋(あっせん)団体の説明会に赴くシーンで登場するのは、すべて特別養子縁組で結ばれた本物の家族だ。膝の上で眠る子供を見ながら「顔まで似てきた」と話す親の姿には、養子を取り巻くネガティブな印象はない。

 河瀬監督は映画について「誰もが自分ごととしてとらえてほしい」と話し、養子が家族のあり方のひとつとして自然に受け入れられ、幸せな家庭が増えることを願っているという。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ