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「山口組ハロウィーン」禁止条例が引いた正邪の境界線

 捜査関係者によると、少年らは組幹部から食事をおごってもらうなどして懐柔された後、その支配下に置かれていたというが、車両放火から殺人、死体遺棄に至る各過程に、組員でもない未成年がそれぞれ関わっていたことは、少なからぬ衝撃だった。

 暴力団の有力な資金源となっている特殊詐欺でも、アルバイト感覚でその片棒を担ぐ少年が後を絶たない。昨年11月の事件は対立組織側が起こしたものとはいえ、危機感を強めた県警は、暴力団と青少年との接触の機会を徹底的に絶つ必要があると判断。暴力団組員が18歳未満の青少年に金品を配ったり、青少年を組事務所に立ち入らせたりすることを禁止する暴排条例改正案を提案し、今月5日の県議会で成立させた。

「憧れにはさせない」

 今回の改正条例にはもう一つポイントがある。《青少年の育成に携わる者は、青少年が暴力団に対する正しい理解の下に行動することができるよう、助言や指導を講ずるよう努める》との文言が、新たに付け加えられたことだ。

 「これまでは特定の場所を名指しして、児童たちに『行くな』とは言いにくかった」。神戸市内のある小学校校長はこう明かし、今回の改正を歓迎した。暴力団関係者と縁故のある子供たちへの配慮もあり、指導も限定的なものにとどまっていたというが、今回、法的な後ろ盾ができたことで「暴力団の脅威や事務所の場所など、より具体的に注意喚起できる」と期待感をにじませた。

 住民の多くは条例改正を評価するが、山口組ハロウィーンを「慈善活動」と肯定的にとらえる人もゼロではない。ある80代の男性は条例改正には賛成するものの「阪神大震災のときに山口組がたき出しをしてくれて助かったこともある」と話す。

 近年、暴力団と接点を持ちながら暴力団対策法の網にかからない半グレ集団の暗躍も問題となっている。県警幹部は「若者をいかに半グレの道に進ませないかが課題だ。子供が暴力団に憧れるようなことはあってはならない」と改正条例を武器に取り締まりを一層強化していく姿勢を示した。

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