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新型コロナと西欧民主主義 フランス感染者「1日4万人」でも譲れないものとは

18日、教員殺害テロ後に開かれたパリのデモ集会。どこも「密」状態(三井美奈撮影)
18日、教員殺害テロ後に開かれたパリのデモ集会。どこも「密」状態(三井美奈撮影)
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 パリで17日0時、夜間外出禁止令が施行された。新型コロナウイルス封じ込めへの強硬措置。16日夜、わが家に近いモンマルトルのカフェをのぞくと、団体客が「最後の一杯を」と祝杯をあげ、大盛況だった。

 コロナ不況が一瞬吹っ飛び、店員は大忙し。まるで大晦日のカウントダウンのよう。何のための規制か、と少々とあきれた。

 コロナ対策の外出禁止令は2度目。今春の最初の禁止令は昼夜ぶっ通しで、商店もほぼ全面閉鎖という過酷なものだった。国民が政府の強権を受け入れ、危機に立ち向かう姿に「これが西欧民主主義か」と舌を巻いた。18世紀の仏思想家、ルソーが説いた「人は生命を守るため、生来持っている自由権を政府に託す」という社会契約論そのもの。日本は「自粛のお願い」一辺倒で、頼りなく見えた。

 だが、半年たって見方が変わった。強権ルールは、「政府の指示に従っていればよい」という甘えを生む。個人の責任感で対応する「塩梅(あんばい)」というものがどうも希薄なのだ。

 20代の知人は「感染対策で、誕生日パーティを2部制にした」と言う。狭いアパートに20人を招くため、「宴会は10人まで」のルールに従い、10人2時間ずつの入れ替え制にしたそう。どれだけ意味があるかしら…。70代の友人と和食店に行ったら、「2週間前にパーティで同席した人が、コロナで急死した」とのたまうので、味噌汁を吹き出しそうになった。「怖くないの?」と聞くと、「そりゃ、怖いわよ。でも、保健所から連絡ないし」と言い、社交を続けている。感染者数はこの日、1日3万人の大台を超えたのに、どうも緊張感に乏しい。

 さらに、一律ルールはストレスがたまる。レストランやタクシー業界で「押しつけ規制」への抗議デモが相次ぐ。今回の外出禁止令では、人混みを避けた夜の散歩やジョギングまで135ユーロ(約1万6千円)の罰金対象だから、「不合理だ」という不満も沸く。

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