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【山本一力の人生相談】私の生きている間に姉妹の仲を取り戻したい

イラスト・千葉真
イラスト・千葉真

相談

 今年古希の母親です。子供が3人いて、それぞれ家庭を持っていますが、長女と次女の不仲について、アドバイスをお願いします。

 次女は離婚後すぐに縁あって再婚。出産もしました。長女はそんな妹の身の振り方があまりにも早く、子供欲しさに焦って早まったのではないかと反対の気持ちから、かたくなになり妹との関係を断ってしまいました。私も当初は反対でしたが今では時々、次女を手伝いに行ったり、孫が来たりの関係です。

 長女も次女も子育てや仕事で毎日の生活が手いっぱいで、会わないままでも支障はないと思っているのかもしれません。でも姉妹が連絡もしない関係では悲しすぎます。私が生きている間に関係を修復させたいのですが、どのように進めたらいいのか、ご指導をお願いします。

回答

 姉妹の不仲は母なれば、胸に疼痛(とうつう)を覚える難儀に違いない。

 もしも妹の再婚までは、姉妹の仲がよかったのであれば、痛みも倍加しよう。

 そこでこの相談となったのだろうが。

 できる助言はシンプルだ。

 古希を迎えようとて、子の行く末を案ずるのは、母親に許される特権。好きなだけ、気を揉(も)めばいい。

 しかし断じて、手出しは無用。

 あなたが脇から口を挟んだり、手助けの手を差し伸べるのは、いまは毒だ。

 毒と薬の分岐点は、投与する量とタイミングにあると確信している。

 わけてもタイミングは重要だ。

 わたしが生きているうちに…。

 あなたの願望、もしくは主張だろうが、これが一番の厄介ごとだ。

 姉妹はともに伴侶も子もいる。

 が、家庭環境は似ているようで、非なるものではなかろうか。

 それでも歳(とし)は近い。いまは不仲でも、理解しあえることも多々あろう。

 母は、娘とは歳が大きく離れている。

 よかれとの判断も当節を生きる娘たちには、もはや通じにくいやも知れぬ。

 もしも娘ふたりが思案に詰まり、あなたに助けを求めてきたときなら、手を貸す絶好のタイミングかもしれない。

 助けとは、相手が求めるもの。旦那もいれば子もいる娘たちだ。あなたとは別の時計で、日々を暮らしているはずだ。

 娘たちを想(おも)うのは大事だが、余計な動きは邪魔となり、毒となることもある。

 手出し・口出しは控えて、相手から求められるときに備えていればいい。

 古希とは。相手を思い、待つを習得できているかを、おのれに問う節目だ。自分主語の主張は通じにくいと、わきまえたい。

回答者

山本一力 作家。昭和23年生まれ。平成9年「蒼龍」でオール読物新人賞を受賞しデビュー。14年「あかね空」で直木賞受賞。近著に「牛天神 損料屋喜八郎始末控え」(文芸春秋)、「長兵衛天眼帳」(角川書店)、「ジョン・マン7 邂逅(かいこう)編」(講談社)、「後家殺し」(小学館)など。

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