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【日本語メモ】「離合」を使いますか?

校閲部
校閲部

 季節は確実に移り変わり、秋の深まりを前に政治の世界も大きく動いています。

 安倍晋三前首相の突然の辞任表明に続く自民党総裁選で、新総裁に菅義偉氏が選ばれ、9月16日には菅新内閣が発足しました。

 その陰に隠れて存在感がない、などといわれている野党の動きも、夏に新聞は、「選挙とカネ 離合動機に」という見出しで伝えていました。

 さて、広辞苑で「離合」を調べてみると「1.はなれたり集まったりすること」ともうひとつ、「2.列車や自動車がいきちがうこと」とあります。

 例えば、ドライバーが狭い道ですれ違うとき「この道、離合できますか?」「離合困難です」という具合です。

 「そんな意味があるとは」「聞いたことがない」と思う人が多いのではないでしょうか。

 実はこの言葉、共通語のようにみえて、九州を中心とした西日本でしか使われていない方言だからのようです。

 もともと鉄道用語として、単線区間において、駅または信号所で上り・下り列車が行き違うときや、単線区間に限らず複線区間のすれ違いでも使っていたようです。

 そこで、九州出身の若い女性に尋ねると「車の運転、私は地元ではしませんが、母も友達も運転する人なら、どんな年代でもフツーに使っていますよ。うふふ」と楽しそうに答えてくれました。

 ところで、「離合」の2つ目の意味は、広辞苑の第七版(2018《平成30》年1月発行)にはありますが、第六版(2008《平成20》年1月発行)には掲載されていません。「言語生活に定着した語、または定着すると考えられる言葉」という選定基準により、10年ぶりの改訂で収録されたことになります。この動きは「離合=すれ違う」が全国的に広がり、共通語として定着することの表れなのでしょうか。(き)

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